Project/Area Number |
21K11777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60030:Statistical science-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
廣瀬 善大 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (10637391)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 数理統計学 / スパース推定 / 情報幾何学 / ベイズ統計学 |
Outline of Research at the Start |
オッズ比は,オッズと呼ばれる量の比として定義される.そして,オッズとは,注目するイベントが発生する確率と発生しない確率の比である.本研究では,データ収集の制約を複数考え,それらの制約それぞれの下で得られるオッズ比を比較する.特に,2つ以上のオッズ比が一致するような場合に注目し,幾何学的な考察を行う.これらの成果は,たとえば医学統計などの応用分野において,使いやすく性能のよい手法の提案につながる可能性をもつ.オッズ比は適用範囲の広い統計学的な道具であるが,本研究はその実用上の適用範囲を広げるための試みでもある.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,統計モデルのパラメータの統計的推定について,幾何学的な観点を踏まえて研究を進めている.2023年度は,特に接空間と呼ばれる線形空間を利用した推定方法を考えた.接空間とは,統計モデルを近似するための基本的な線形空間である.一般に,統計モデルの情報をすべて考慮した推定法は,計算の観点から実行が難しくなることがある.それに対して,線形空間にもとづく推定は計算が相対的に易しくなる傾向にある.本成果では,ある問題に対して,統計モデルを接空間で近似し,近似後の問題を厳密に解く方法を提案した.近似後の問題はもともとの推定問題とは異なるが,既存の性質のよい手法によって効率的に推定問題を扱うことができる.もともとの問題の統計モデルには幾何学的によい性質が備わっていることが知られており,本手法が既存の代表的な手法と比較して同等の性能をもつことが数値実験から確認された.ここで既存の代表的な手法は,統計モデルの情報をすべて利用するような方法である.接空間に相当するもので統計モデルを近似するというアプローチ自体は珍しいものではないが,提案手法は近似を利用しているにもかかわらず,既存の代表的な手法のような近似をもちいない手法と比べても遜色のない働きをすることが大きな特徴である.提案手法の背後には,統計モデルの幾何学的な性質や,近似および推定に関する幾何学的な考察が働いており,これらは本研究課題の今後の展開でも有用なものであると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はじめの異動にともなう研究進捗の遅れがあったため,2022年度以降にその影響が残っている.また,2023年度の単年度についてもライフイベントに関連して遅れが出たが,大きな遅れではないと判断している.2023年度には,論文の投稿(改訂の結果待ち)や国際会議での成果発表を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗はやや遅れているが,対処方法としては,研究計画の内容変更ではなく,期間を延長することにより当初計画を進めることを予定している.計算機環境などはすでに整備できており,研究時間を確保することで研究を推進する.特に,2024年度は過去3年間と比べて研究時間を用意しやすくなる予定であり,研究の進捗が見込まれる. また,成果発表として,論文の投稿・公開や国内・国外の学会での発表を行う予定である.
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