故障ノードの通過に基づくNoC向きの耐故障ルーティング法の確立
Project/Area Number |
21K11810
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60040:Computer system-related
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福士 将 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50345659)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ネットワークオンチップ / 耐故障ルーティング |
Outline of Research at the Start |
本研究は,現代のコンピュータの頭脳として一般的に用いられる並列プロセッサを対象とした,プロセッサ(ノード)間の通信に関する研究である.集積回路チップ内に発生する故障ノードを避けながら通信を行う耐故障ルーティングにおいて,故障ノードを「迂回する」だけでなく「通過する」という新たなアプローチに基づく手法を確立することで,並列プロセッサの通信の高速化を実現しようとする研究である.
|
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワークオンチップ(NoC)型の並列プロセッサシステムにおいて,故障プロセッサ(ノード)の「通過」という斬新な基本概念に基づく耐故障通信(ルーティング)の確立を目的に,本年度は,最も一般的な2次元および3次元メッシュ結合のネットワークを対象に,以下の研究を行った.
1.2次元メッシュ結合のNoCに対する耐故障ルーティングツリーの構成法の開発: 故障ノードの「通過」を許容する耐故障ルーティングツリーの構成法を開発した.本手法では,全ての正常ノードを含む木構造のネットワークを構成する際に,故障ノードの「通過」を許可することで,ノード数の偏りが少なく,高さの低いルーティングツリーを構成することを可能にする.評価により,本手法で構成されるツリーを用いて通信を行う場合,スループットを約3.9%向上可能なことを確認した.
2.3次元メッシュ結合のNoCに対する耐故障ルーティング法の開発: 故障ノードの「通過」を許可しつつ,目的ノードまで適応的な経路選択が可能な耐故障ルーティング法を開発した.本手法では,デッドロックと呼ばれる通信機能不全に陥ることを回避するために,ネットワークを仮想化するための仮想チャネル(VC)を4個用い,4つの仮想ネットワークで異なる適応型ルーティングを行うアプローチをとった.本手法により,従来法と比較して,平均通信遅延を約30%,VC数を50%削減可能であり,3次元メッシュ向けの既知の手法の中で最高性能を達成し得ることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は,基本的な3次元結合NoCを対象に,故障ノードの通過に基づく耐故障ルーティング法を開発することであり,これは上記で報告した通り,概ね順調に展開しているものと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に開発した3次元メッシュ結合NoC向けの手法を拡張し,3次元トーラス結合向けの耐故障ルーティング手法を開発する.これにより,本手法の効果を幅広く検証する.また,本研究で開発した実アプリケーションを用いた性能評価法において,アプリケーションを構成するタスクの割り当て方法を改善することにより,より実際のシステムに近い評価を可能にする.
|
Report
(2 results)
Research Products
(18 results)