分散協調学習の重要度判定に基づく被災者指向型災害情報炊き出しシステムの開発
Project/Area Number |
21K11851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60060:Information network-related
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
重安 哲也 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (90352046)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 被災情報収集 / WiFi / 全二重無線通信 / 被災情報配信 / DTN / 無線LAN / すれ違い通信 / 被災情報システム / 分散強調学習 / 無線アドホックネットワーク |
Outline of Research at the Start |
大規模災害時は,一刻も早い被災状況の把握とこれに基づいた適切な救援活動が被害の減少のために必要不可欠である.そこで,本研究課題では,広く普及したスマートフォンをもつ被災者が,各自が遭遇した被災状況を自身のスマートフォンに入力することで,被災情報収集を行うシステムを開発する.さらに,被災時には通信回線途絶の発生が強く予想されるため,スマートフォン同士の直接通信でデータを収集・伝達し,災害対策本部や避難所,さらには,被災地を移動中の被災者などと分散協調学習による重要度判定に 基づき情報を配信・共有する 被災者指向型災害情報炊き出しシステムを開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,被災時の不安定な通信環境下においても被災情報をリアルタイムに収集するために想定する通信方式であるWiFiの通信性能向上について検討を行なった.具体的には,災害発生時には,DTN(Delay Torelant Networki)技術による断続的な通信路の形成を前提とした無線マルチホップ通信を行うことが前提となるが,そのような状況下では,詳細な被災状況を解像度の高い写真等で把握するための通信帯域の確保が難しくなる.そのため,数少ない通信機会を有効活用するためには,全二重無線通信の導入などによる通信帯域向上が効果的である.
そこで,全二重無線通信を想定した通信スループット向上手法についての検討を重点的に実施した.検討では,現在,市場に普及しているスマートフォンなどに搭載されるWiFiは全てが半二重無線方式であることを踏まえ,そのような普及済みの通信デバイスとの互換性を持ちながら通信帯域を向上できる手法の開発を行なった.具体的には,最初に通信を開始する端末のみが全二重無線機能を有していれば,周辺端末の同時並行通信を促すとともに,それらの端末の通信をRTS/CTS(RequestToSent/ClearToSend)機能によって保護することで,通信回数と通信成功率の双方を高いレベルで維持しながら送受信を実現するアルゴリズムを開発した.また,開発したアルゴリズムは,計算機シミュレーションによって評価し,通信スループットが効果的に向上することを明らかとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,被災情報収集を行うための通信デバイスのシングルホップ無線通信時の通信性能向上手法の検討を行なった.同手法は,OSIモデルにおけるL2(データリンク層)における通信性能向上の検討である.被災情報収集時には,L2の通信性能も非常に重要であるが,より上位層のマルチホップ無線転送を実現するアルゴリズムも重要となる.具体的には,被災情報が生成されてから,実際にその情報が受信側に到達した際の情報鮮度の低下(AoI,Age of Information)を考慮した受信した情報の質を高く維持するアルゴリズムの開発が望まれる.
今年度は,情報の質であるAoIの検討までは行えなかったものの,R5年度以降にこの検討を行うことで,十分に本研究課題のゴールである課題解決に結実できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,単純な情報の伝達ではなく,情報の生成されてからの鮮度に起因する情報の質(AoI)を考慮した通信方式のあり方について検討を行なっていく.具体的には,AoIを参照しながら,転送方向と受信破棄の対象データを決定することで,AoIの制御が可能となると考えている.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)