視線計測データと画像解析を用いた視覚認知の定性および定量分析
Project/Area Number |
21K12098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
粟野 直之 国士舘大学, 経営学部, 講師 (80750687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 佑樹 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (40633524)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Fixation Heat Map / 画像解析 / Categorization / 心的回転 / 視覚 / 認知 / 視線解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,視線計測データから「視認対象をどの程度認知しているのか」を表す認知量を評価できる可能性を明らかにすることである. 最近までの研究により,視線の動きや停留には脳波に匹敵するほどの膨大な認知情報が含まれ,評価項目次第では脳波よりも顕著な傾向が得られることが明らかにされている.一方,視線計測データなしに視認対象画像を解析するだけで感性認知を定量評価できる可能性を示す研究も行われている.視認対象画像とその視線計測データの両方に認知特徴量が含まれることを考慮し,本申請研究では視線解析と画像解析を併用することで,視認した部分の情報量を評価するような認知量の定量評価法を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
先天的認知と後天的認知のうち,2022年度は先天的認知に関する視覚認知量を評価するための実験を設計・実施した.そして,複数の評価指標を定義した上で実験データを分析することで,主に以下の2種類の成果を得た. (1)当初想定していた認知量評価において,「認知の遅れ」を評価することは困難である結果が得られた.一般に,被験者に心的回転課題を科すことで認知の遅れが生じることが知られているが,定義した評価指標からは心的回転課題に相当するタスクを科したことによる影響は見られなかった.しかし,「認知の遅れ」は評価できないながらも,弱い傾向ながら先天的認知に起因すると考えられる分類(Categorization)を評価できる可能性は示された.実験に用いた刺激画像のうち,弱い傾向を示す要因となった刺激画像内の表現精度(情報量)が特異であったことから,表現精度を統一することで上記認知量を正確に評価できる可能性や,表現精度の違いによる認知量を評価している可能性も示された. (2)一部の評価指標から得られた評価値には,意味を持たない図形に特徴的な傾向が表れた.本研究における検証対象である「対象を認知している過程の認知量」を定量評価できるかどうかではなく,最終的に「対象を知っているか(既知・未知)」を定量評価できる可能性が示された.これは,先天的認知を評価するものではなく,あくまで既知・未知だけを定量評価している可能性がある. (1)と(2)により,分類や既知・未知の評価ができる可能性が示された一方で,評価指標によって異なる認知プロセスを評価することを示しているため,評価指標の理論的妥当性が重要になる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の予定では,2022年度中に先天的認知の認知量評価のための実験を設計・実施し,その分析結果を論文にまとめるところまでを計画していた.1年間の進捗状況としては,先天的認知の認知量評価のためのデータは得られており,分析もおおよそ完了しているため,大きな遅れはないものと考えているが,現時点では論文にまとめることはできていない.これは,2021年度に申請者が所属機関を異動したことに伴って遅れた分だけ,そのまま研究全体の遅れにつながっている.これらより,研究全体としてはやや遅れているものと評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
先天的認知の認知量評価の分析結果について早急にまとめる.その後,後天的認知の認知量評価に関する実験を設計・実施する.その際,先天的認知では評価困難であった心的回転課題は後天的認知でも評価困難なのかどうかを明確にするため,心的回転課題も含めた実験を設計する予定である.後天的認知を評価するための刺激画像としては他国の文字を利用する.一般に日本人において日本語文字(平仮名・片仮名)は後天的に学習するものであり,最も見慣れた文字と言える.同時に,他国の文字は相対的に見慣れていない文字であり,少なくとも知識として定着してからの期間に差がある.よって,この差を評価できるかどうかを先天的認知と同様の分析で検証する予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)