Project/Area Number |
21K12133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
田邊 思帆里 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性予測評価部, 主任研究官 (30435705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 竜一 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (10401358)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 分子ネットワーク / がん / RNAウィルス / ネットワーク解析 / 上皮間葉転換 / パスウェイ / EMT / がん幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
RNAウィルス感染関連分子及びがん関連分子等について、IPA等のネットワーク解析ツールを用いて解析し、RNAウィルス感染メカニズム並びにがん幹細胞及び上皮間葉転換関連分子に関する分子ネットワークを構築し、分子ネットワーク及び分子情報を得る。構築した分子ネットワーク等のデータを基に人工知能AIツール等を用いて、RNAウィルス感染メカニズムを明らかにし、分子ネットワーク情報からがんサブタイプ等予測モデルを構築する。新型コロナウィルス、インフルエンザウィルス、C型肝炎等のRNAウィルス感染メカニズムと、がんとの関連性を明らかにすることによって、ウィルス感染対策やがん創薬へ役立つことが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
胃がんにはびまん型胃がんと腸型胃がん等のいくつかのサブタイプが知られている。びまん型胃がんは、抗がん剤耐性を有し転移や再発等に至るなど、腸型胃がんに比較して悪性度が高いことが知られている。びまん型胃がんの悪性化にはがん幹細胞や上皮間葉転換(Epithelial-mesenchymal transition; EMT)が関与していることが知られており、抗がん剤耐性や治療薬ターゲット、治療薬安全性に関する知見を得る上では、その分子ネットワークを解析する必要がある。びまん型胃がんと腸型胃がんのネットワークを解析したところ、RNAウィルス感染に関する制御ネットワークが得られたことから、がんとRNAウィルス感染との関連性について本研究において詳細を検討することを目的とした。 公開データベース上の胃がん遺伝子発現データを用いて変動遺伝子群を同定した。RNAウィルス感染及びがん関連分子をIngenuity Pathway Analysis(IPA)等のネットワーク解析ツールを用いて解析し、RNAウィルス感染メカニズムに関連する分子ネットワークを明らかとした。Regulatory effect解析により、びまん型胃がんにおけるRNAウィルス感染ネットワークの関与が明らかになった。プラチナ製剤等の抗がん剤に対する耐性メカニズムは完全には明らかにされていないことから、薬剤耐性メカニズムを明らかにするために、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、三酸化ヒ素等の抗がん剤の分子ネットワークを解析した。びまん型胃がんは、上皮間葉転換様の特徴を有し、腸型胃がんよりも悪性度が高いことから、びまん型及び腸型胃がんの遺伝子発現と分子ネットワークを解析し、抗がん剤耐性がん治療における抗がん剤の分子ネットワークと腫瘍微小環境の重要性が示された。本研究によりRNAウィルス感染メカニズムとびまん型胃がんとの関連性が示唆され、その詳細を明らかにすることによりウィルス感染制御やがん創薬に繋がる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
がんとRNAウィルスに関する分子ネットワーク解析が進み、下記を含む多数の論文が出版された。 1.Tanabe S (2024). “Advances in Molecular Mechanisms of Gastrointestinal Tumors” Cancers. 16(8):1603 doi: 10.3390/cancers16081603 2.Tanabe S (2024). “Role of eIF2 Signaling in Cancer and its Relationship with Coronavirus” Adv Clin Med Res. 5(1):73 doi: 10.52793/ACMR.2024.5(1)-73 3.Esterhuizen M, Park C-B, Kim YJ, Kim T-Y, Yoon H, Andres F, Rodriguez-Rodriguez R, Tanabe S (2023). “A Perspective on the Role of Physiological Stresses in Cancer, Diabetes and Cognitive Disease as Environmental Diseases”, Front Mol Biosci. 10:1274221 doi: 10.3389/fmolb.2023.1274221 4.Tanabe S, Boonstra E, Hong T, Quader S, Ono R, Cabral H, Aoyagi K, Yokozaki H, Perkins EJ, Sasaki H (2023). “Molecular Networks of Platinum Drugs and Their Interaction with microRNAs in Cancer”, Genes. 14(11):2073 doi: 10.3390/genes14112073
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス病態パスウェイやがん上皮間葉転換パスウェイの活性化状態の医薬品による変化やネットワーク相互作用分子の治療薬ターゲットとしての可能性と安全性に関する検討が必要である。引き続き医薬品等による分子ネットワークパスウェイを解析し、治療抵抗性がんとRNAウィルス感染の関連性について研究する。分子ネットワークとマイクロRNA(microRNA)の相互作用が予測されていることから、薬剤耐性がんの新規創薬標的の同定に寄与する可能性が考えられる。プラチナ製剤オキサリプラチンの解析により、虚血性心筋症ではSPINK1膵がんパスウェイが不活性化されることが明らかとなったことから、治療抵抗性がんの分子ネットワークと疾患との関連性について研究する。
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