Project/Area Number |
21K12183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62030:Learning support system-related
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
土橋 喜 愛知大学, 現代中国学部, 教授 (00301622)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 学習分析 / 教育データマイニング / 学習管理システム / 時系列クロスセクション / クラスタリング / 同期率 / 外れ値 / プロセスマイニング / クラスタヒートマップ / 学習ログ / 時系列クロスセクション分析 / ヒートマップ |
Outline of Research at the Start |
現在の学習管理システム(LMS)を活用したオンライン教育においても、個々の学習者の学習経過や取り組み状態を、タイムリーに把握することは経験豊富な教師にとっても困難である。本研究ではこの課題を改善するため、学習履歴データの分析を自動化し、学習者の教材閲覧状況の分析を行い、リアルタイムに異常値検出を実現するための研究や、小テスト得点や教材閲覧回数などから、授業の取り組みを可視化するヒートマップを作成する研究など、学習分析に必要な要素技術の研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度を通して、Moodleとオンライン教材を使って授業を行い、研究課題に関連する学習ログの収集と分析を行った。Moodleを使った学習ログの収集は7科目について実施したが、コンピュータ教室を活用したのは6科目であった。このうち3科目については、冊子体と同じような形式の教材をPDFファイルで作成し、Moodleに搭載して使用した。また5つの科目については、小テストを毎週実施して結果の収集を行った。さらに授業を行いながら、学習者の教材閲覧の同期率を教室で観察できるのは、1科目増えて4科目になった。 収集した学習ログの分析については、クラスタヒートマップの改善を行い、外れ値を含めて表示するようにした。ヒートマップを生成できる学習ログの項目は、教材クリック、小テスト得点、小テスト回答所要時間などのデータである。また教材クリックのような学習ログから外れ値を検出すると、平均値から極端に離れた学習者を見出すことができる。そのため教室で授業を実施するときに、学習者への説明に工夫を加えることができる。 また学習ログについて今後の分析方針を検討するため、毎週の教材クリック、小テスト得点と回答所要時間などの分布状態を調べる分析を行ったところ、週別データの多くは正規分布していないことが判明した。正規分布しているのは小テスト累積得点、教材クリック合計、期末テストの得点などであった。また週別の授業内教材クリック数とクイズ得点間の相関関係も調べたが、相関関係が認められる部分は意外に少ないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Moodleの活用によって各種の学習ログが蓄積されるが、そのうちリアルタイムに分析を行えるデータは限られているため、手作業によるデータ分析の効率化を検討した。例えばクラスタヒートマップを作成するためには、いくつかの段階を得て表示できるが、それぞれの段階ごとに処理手順を自動化し、それらを統合するための検討を行った。 また授業中の教材閲覧クリックの分析では、平均値から大きく離れた値をリアルタイムに抽出する処理を追加した。同期率のグラフを表示すると同時に、教材閲覧数が上位と下位のそれぞれ5%以内の学習者をリアルタイムで識別できるようにした。授業内に実際に試したところ、同期率のグラフの生成と同時に上位と下位5%以内の該当者の抽出が行われた。処理時間は30秒前後で完了したので、今後も授業内で活用する予定である。 学習ログについて平均値や標準偏差などを活用したデータ分析では、50~60人程度の学習者が常に参加していることが望まれる。最初の登録者が60人であっても、実際に授業に参加する人数は40人前後になる場合もあった。毎週のデータ数が少ないと、分析手法にも影響がでる可能性があり、そのためいくつかの手法を試しながら検討する必要がある。文献よっては数百から数千のデータを対象とした学習分析の例もしばしば報告されており、被験者の規模を適切に保つ対策も重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
Moodleに掲載したオンライン教材を授業内と授業外を問わず学習者が利用すれば、いろいろな学習ログの収集が可能になるため、担当授業はできる限りMoodleを活用するようにしており、今後も学習ログの収集は継続する。さらに分析の目標を明確にし、どのような分析を行えば授業改善に役立ち、期待した教育効果が得られるかを再検討する。 授業では多くの教師は学習者に対応する必要があるため、教室で学習分析を行う時間はほとんど確保できないのが現状である。そのため閲覧ログの分析に加えて、外れ値を検出し、クラスタヒートマップを作成するなど、小テスト直後にもリアルタイムで分析し、現場の教師に提供する機能が必要である。このよう分析結果が得られれば、教師は早い段階で授業を放棄する学習者や、つまずいている学習者への対応を行うことが可能になると考える。 また学習管理システムやデータサイエンスに詳しくない教師も多々存在することから、分かりやすく使いやすいユーザインタフェースを備えたシステムの開発が重要な課題である。近年は学習管理システムのログに加えて、映像や音声を活用したマルチモーダルな学習分析、機械学習や生成AI取り入れた学習分析も研究されていることから、これらの成果を取り入れた研究を進める計画である。
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