Project/Area Number |
21K12190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62040:Entertainment and game informatics-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大槻 恭士 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00250952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ゲームAI / 不完全情報ゲーム / コミュニケーションゲーム / 人狼ゲーム / 人狼知能 |
Outline of Research at the Start |
人狼知能プロジェクトでは,開発リソースの提供と人狼知能競技会の開催による集合知的アプローチにより,人間と共に人狼ゲームを自然にプレイできるAI(人狼知能)の実現を目指している.しかし近年では,勝率至上主義非協調AIの台頭や,機械学習を用いた高負荷AIの増加など,当初予測できなかった問題も浮かび上がっている. 上記の問題の解決を目指し,本研究では説得・被説得機能を持つ協調的AIを実現可能な会話プロトコルを策定する.また,高度なアルゴリズムを実装可能な開発ライブラリや高効率な対戦サーバを作成する.さらに勝率至上とならないAIの新たな評価基準を策定する.
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Outline of Annual Research Achievements |
人狼ゲームをプレイするAI同士が競う人狼知能大会の一部門である,AIが規定された記号列を介して会話を行うプロトコル部門では,参加AIが勝率のみで評価されるため,ボロを出さないように寡黙に徹し,自分より勝率の高いAIをゲームから排除するなどの,勝率第一主義の非協調的・利己的な戦術を採用するケースが増えており,このままでは,騙し・騙され・説得し・説得されるAIの実現から遠ざかることが危惧される状況である. 本年度も令和4年度に引き続き,サブテーマ「勝率に代わる人狼知能の評価基準の策定」に関して,人狼知能国際大会プロトコル部門参加AIの戦術分析を実施した.令和4年度の大会では,簡易人狼知能作成システムで生成されたAIが多数参加したため,分析対象が戦術的に極端に均質で分析結果の意味が希薄になるという問題があったのに対し,令和5年度の大会では,同システムが廃止されたことにより,分析対象の多様性が高まり分析結果の有意性が高まることが期待された.決定木代理モデルによる投票戦術分析の結果,役職が人狼の場合では約半数のAIが味方人狼への投票も厭わない戦術を採用していること,役職が占い師の場合では約3分の1のAIが勝率の高いAIに対して占い結果に関係なく人狼判定を出す戦術を採用していることなどが示された.今後は本分析手法の結果を新たな評価基準の策定に役立てることを予定している. サブテーマ「人狼知能プラットフォームの改良」に関して,AIからゲームサーバへの応答時間に対する制限の撤廃を検討した.機械学習を利用する熟考型AIは,応答時間制限により失格となる可能性が高いが,応答時間を無制限にした場合は利用時間の不公平性や実行可能ゲーム数の減少による結果の有意性の低下などの問題が生じる.そこで持ち時間制の採用を検討し,試験的に作成したサーバを用いた実験により,試合時間の短縮と公平性の向上を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅延の最大理由は,近年の生成AI台頭による人狼知能大会プロトコル部門の参加数減少である. サブテーマ「人狼知能プロトコルの改良」未着手の理由は,コロナ禍によって大会参加者コミュニティとの交流が希薄になり,また今後の人狼知能研究では生成AIを用いて自然言語で会話を行う人狼知能が中心となることが予想されるため,プロトコル改良を歓迎する雰囲気が醸成されていないことが挙げられる. サブテーマ「プラットフォームの改良」についてはプロトタイプの作成までは進んだが,プロトコル部門参加者の減少により,新システム運用実験用部門の設置は難しかった. サブテーマ「評価方法の確立」について,AIの戦術分析に留まっている理由は,やはり参加数減により運用試験が難しかったことが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
サブテーマ1.人狼知能プロトコルの改良について ほとんど進んでいないが,遅延の原因のところで述べたように,自然言語で会話する人狼AIのニーズが高いため,プロトコルの代わりに自然言語を利用する方向に計画を変更することを検討する. サブテーマ2.人狼知能プラットフォームの改良について 人狼知能大会での試験運用は難しいので,研究室レベルでの検証実験に変更する. サブテーマ3.人狼知能評価方法の確立 令和5年度の戦術分析結果を踏まえて,審判制ルールの設計を進める.ただし,大会での検証は難しいため,まずは研究室レベルのミニ大会において実証実験を行う.
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