Project/Area Number |
21K12326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
皆川 朋子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10355828)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 水害 / 魚類 / 気候変動適応 / 河川整備 / 攪乱 / 中小河川 / 豪雨災害 / 河川改修 / 豪雨 / 人為的攪乱 / 災害復旧 |
Outline of Research at the Start |
2017年7月九州北部豪雨災害により被災した筑後川右支流域中小河川、2020年球磨川豪雨により被災した支流域中小河川を対象に、①豪雨(自然攪乱)に対する魚類の残存に関与するレジリンス要因の解明と生物多様性に及ぼす影響評価、②その後の河川改修(人為的攪乱乱)が生物多様性に及ぼす影響評価、③気候変動下における中小河川における魚類群集保全のための方策の解明、を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、豪雨により影響を受けた中小河川を対象に、豪雨後の魚類の回復状況とそれに関与する要因をその後行われた河川改修の影響も含め明らかにすることを目的としている。2023年度は、前年度までに現地調査により取得した魚類データを用いて、各調査地点、各年の確認魚種数を応答変数、災害からの経過年を説明変数とした一般化線形混合モデルにより分析した。解析には本研究で得られた2020年から2022年の魚類調査結果に加えて、災害後の2017年12月に実施された菅野らの調査結果(2020)他、県や国土交通省が実施した魚類調査結果も含めた。 解析の結果、赤谷川流域、北川では災害からの経過年が有意な正の変数として選択され、2017年から2022年の間で確認魚種数が有意に増加している傾向が確認された。一方、桂川流域Aでは災害からの経過年が有意な負の変数として選択され、2018年から2022年の間で確認魚種数が有意に減少している傾向が確認された。桂川流域B、佐田川流域、白木谷川流域では災害からの経過年が有意な変数として選択されず、経年的な変化は検出されなかった。回復傾向にあると評価された河川は災害時に雨量や土砂による影響が小さく、魚類が残存できた支流があること、集水面積が比較的大きいこと、河川改修が完了し、川幅縮小に伴いハビタットが形成されていることが要因として挙げられた。減少傾向にあると評価された河川では河川改修により植生が消失し、流れが単調になったことが要因として挙げられ、特に絶滅危惧種のタナゴ類に関しては、河川改修前は確認されていたものの、河川改修後に確認されなかった。 次年度も引き続き解析を進めるとともに、大規模災害に対しても残存できる河川整備のあり方を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2017、2020年に甚大な豪雨により大規模な攪乱が生じた筑後川及び球磨川流域の支流中小河川を対象に、豪雨による自然攪乱および災害復旧工事を攪乱外力と考え、河川生態系がもつレジリエンス維持機構を解明するとともに、魚類群集保全のための方策を明らかにするものである。2023年度までに被災河川及び対象河川において魚類データを取得し、豪雨の影響を明らかにし、残存要因と非残存要因及び、回復に影響を与える要因を分析した。これらの知見を踏まえ最終年度は魚類群集保全のための方策を明らかにする予定であり、概ね順調に進展しているものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2024年度は魚類群集保全のための方策を明らかにするため、洪水時にはリフュージになりうる工法を複数案立案し、水理シミュレーションにより予測評価するとともに、現地に実装できるよう河川管理者と計画案の検討を行う予定である。さらに、これまでの成果について論文投稿を行う。
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