Establishment of a new natural symbiosis system in abandoned agricultural land and water areas in hill-bottom valleys
Project/Area Number |
21K12330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柿野 亘 北里大学, 獣医学部, 准教授 (10623936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽屋 啓之 北里大学, 獣医学部, 教授 (00355653)
眞家 永光 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00453514)
永吉 武志 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (50331286)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 管理放棄 / 生態環境保全 / 防災 / 中山間地域 / 遊水地 / 耕作放棄 / 景観 / 両生類 / 魚類 / トンボ / 自然資源 / 水利システム |
Outline of Research at the Start |
農村の中山間地域に着目すると農業従事者の高齢化や担い手不足が著しい他,農地として評価されない実態を踏まえて,耕作放棄される農地が広がることとなった。これらの農地のうち,再利用が可能な農地が減少している一方で,再生利用が困難と見込まれる農地が増加しており,荒廃化が進行している実態が強くうかがわれている。このような背景の中,かつて水田や農業水路を含めた生態系に属する水生生物が細々と生息している。環境が変化した中でどのような生活史をおくっているのか把握するとともに,新たな土地利活用(自然資源管理としての動植物と人との関わり)によって,かつての水田・水路生態系を部分的に保持する方策を立案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書におけるフェーズⅠ(遊水地および・湧水地の生態環境評価とこの評価に応じた代表種の生態管理必要条件の把握)については,2021年度に継続して,管理放棄された谷津田周辺のトンボ類の消長および介入効果(草刈り)の評価を行い,6月27日に実施された草刈り以降にシオヤトンボの出現個体数が多くなった。このことから,2021年度の同様の効果がルリボシヤンマで実証されたが,シオヤトンボでも実証された。また,湧水由来の止水域にDOロガーを設置したところ,6月~9月末まで断続的,連続的に溶存酸素濃度が0に至り,幼生が生息できる溶存酸素環境ではなかった。農産物の廃棄が原因ではあったが,下流側を流水路と接続させ,流水性の水域にできれば改善されると考えられた。一方で遊水地の配置候補を選定するための検討として,ドローンによるサーモグラフィ解析によって湿地と非湿地との差が視覚的に把握できた。 フェーズⅡ(生態管理行為と人間活動との接点を考慮した生態管理計画の立案)については,管理放棄された水路に千鳥形式に杭群を設置した範囲を防災,生態面から評価したところ,直下流の暗渠に,増水時に落葉落枝が詰まってしまうことを回避できるよう杭群で回避できている可能性が指摘された。また,杭群の一部が欠損し,流れの形態やこれに伴う瀬・淵の配置に変化が見られたものの,蛇行度を算出して蛇行形態が維持されていることが判明した。さらには,アブラハヤ等魚類の生息も認められ,杭群設置の効果が評価された。 フェーズⅢ(生態管理の長期的継続性を可能にするための法令的・政策的諸検討と手法開発)については,管理放棄された農業水路における非機能性(農業用水等)と新たな機能性(生態系保全や遊水地としての防災)を整理できた。 管理放棄ため池が防災重点農業用ため池として選定される改廃問題が提示され,イシガイ科二枚貝に着目して整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では,進捗がフェーズⅡとⅢが逆になっているが特段問題はない。また,実績にも反映したが,全国の管理放棄された農業用ため池が改廃される危機が高まっていたことから,急遽,イシガイ科二枚貝に着目して問題を指摘した。また,トミヨ類の巡航速度,突進速度を把握し,管理放棄水域での流水環境の変化の対応有無および遊水地の代表種としての可能性を加えて検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね良好に進んでいる。2023年度が最終年度となるため,得られたデータの精度を高めるための調査(フェーズⅠ;代表種の生活環境担保の可能性)として,トンボ類の消長および介入効果の評価を行う。また,水路内の生態環境(魚類)をより高めるための杭群設置の修正案も提示できるよう砂礫堆の評価も行う(フェーズⅡ;生態管理行為と人間活動との接点を考慮した生態管理計画の立案)。以上を踏まえて,管理放棄された土地における新たな自然資源活用行為と代表種の生態環境との関係を考察し,観光の可能性検討を踏まえた小規模のエコパーク計画を提示する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)