Effect of decision process for site selection procedure on social acceptance of siting repository for High-level radioactive waste
Project/Area Number |
21K12375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大澤 英昭 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 研究職 (70421633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 進 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80301860)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 功利主義 / ロールズ主義 / 手続き的公正 / 分配的公正 / 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、各地域の状況(受益圏-受苦圏)により地域間の倫理・価値観が異なる高レベル放射性廃棄物地層処分施設のサイト選定方策を題材として仮想シナリオ実験とゲーミングを行い、功利主義、ロールズ主義、平等主義に焦点をあてた各政策オプションについて、規範・価値観の優先順位付けをして決定するという手続きを経ることにより、どのような正義規範と政策が選好され、人々はその結果を受け入れるのか、現実社会で行われる決定プロセスにおける各段階の立地受容の要因の違い、各段階の結果が次段階に与える影響を踏まえた実効性のある意思決定プロセスとは何か、を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
サイト選定方式(公募・申し入れ方式、スクリーニング方式、全地域平等分散方式(全都道府県に1サイト選定))とサイト選定方式決定の際の国民の意見反映機会の有無(以下、意見反映機会の有無)に関し、場面想定(6ケース)を操作した仮想シナリオ実験を実施し、サイト選定方式や意見反映機会の有無により、サイト選定方式の受容、個人的便益、社会的便益、サイト選定方式の公正、地域間公正、立地受容の評価に違いがあるか、道徳的基盤が影響しているのかを確認した。 その結果、意見反映機会がない場合、立地前から立地後のサイト選定方式の公正の評価の低下は、全地域平等分散方式、公募・申し入れ方式、スクリーニング方式の順に想定的に大きい傾向を示すこと、受容については、意見反映機会がある場合、公募・申し入れ方式および全地域平等分散方式では、地層処分政策の受容からサイト選定方式の受容の評価の低下は小さいものの、サイト選定方式の受容から立地受容の評価は低下、意見反映機会がない場合は、地層処分政策の受容、選定方式の受容、立地受容の評価へと徐々に低下する傾向を示すことを確認した。また、道徳的基盤のうち公平性については、意見反映機会がない中で決定された公募・申し入れ方式で立地された場合、立地受容に公平性が影響を与えていない全地域平等分散方式とは異なり、公平性を重視する人ほど立地を受け入れない傾向が認められるなど、立地受容やサイト選定方式の公正などのいくつかの観測変数に対する道徳的基盤の影響が異なることを確認した。 さらに、昨年度と同様のゲームを実施し、誰もが当事者となり得るという無知のヴェール状況を出発点とした上で、事前にサイト選定で考慮すべき優先事項に合意することが有効であることが改めて支持された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、サイト選定方式として全地域平等分散方式を加えるとともに、サイト選定方式の決定の際の国民の意見反映機会の有無をシナリオに追加し、属性として道徳的基盤も試行的に加え、仮想シナリオ実験を実施した。その結果、サイト選定方式や意見反映機会の有無による、サイト選定方式の公正や受容の立地前から立地後の変化への影響を確認した。また、サイト選定方式として公募・申し入れ方式、全地域平等分散方式の違いにより道徳的基盤(公平性)の立地受容に与える影響が異なるなど、立地受容に潜在的な道徳的基盤が与える影響を試行的に確認した。また、ゲーム実験については昨年度と同様のゲームを実施し、誰もが当事者となり得るという無知のヴェール状況を出発点とした上で、事前にサイト選定で考慮すべき優先事項に合意することが有効であることが改めて支持された。以上のことから、令和4年度の進捗についてはおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の仮想シナリオ実験では、サイト選定方式の決定の際に意見反映機会の有無のシナリオを組み込むことでサイト選定方式の受容の際の効果は確認できたが、立地受容には全く効果は認められなかった。また、道徳的基盤については質問数が多く不良回答者が多いという課題が残った。そのため令和5年度は、立地受容段階において意見反映機会の有無のシナリオを組み込むとともに、道徳的基盤については令和4年度の分析結果を踏まえて質問数を厳選するなどして再設計し、改めてサイト選定方式の影響を確認する仮想シナリオ試験を実施する。これらの結果に基づき、サイト選定方式の選定に焦点をあて、サイト選定方式の決定に重点をおいたゲーミングを再設計する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)