Project/Area Number |
21K12428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
生方 史数 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30447990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖田 亮次 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 東南アジア / 辺境社会 / 情報圏 / 持続可能な開発 / ポリティカル・エコロジー |
Outline of Research at the Start |
情報化社会の到来は東南アジアの辺境社会にも及んでいる。国家や市場アクターが「持続可能な開発」の実践等を契機に情報基盤を整備することで、地域は遠隔地とさらに強力に結合されつつあるからである。このような情報を介した国家や市場の影響力の増大は、東南アジア辺境部の地域社会をどうつくりかえるだろうか。また、地域社会は国家や市場との関係を自らが望む形に築いていけるだろうか。本研究では、東南アジア辺境地域における森林保全や輸出用一次産品の認証事業を事例に、国家・市場・地域社会を構成するアクターが情報圏をどのように拡張したのか、またそれらが互いの情報圏や現実社会とどのように相互作用しているのかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、東南アジア辺境地域における森林保全や一次産品の認証など、「持続可能な開発」に関連する事業を事例に、国家・市場・地域社会を構成するアクターが情報圏をどのように拡張したのか、またそれらが互いの情報圏や現実社会とどのように相互作用しているのかを検証している。 3年目である2023年度には、ようやくコロナ禍による海外渡航制限から解放され、本格的に現地調査ができるようになった。ただ、それ以前の2年間における現地調査の遅れが響き、結局3年間で研究に必要な海外現地調査を完遂することはできなかった。 期間中の主な活動は下記2点に大別できる。第1に、前年度に引き続き、2023年9月にマレーシア・サラワク州で現地調査を行った。その結果、前年度とは異なる地域において、コロナ禍でのパーム油業界の動向や様々な困難の状況、パーム油認証制度の普及状況、認証制度に対する先住民団体の取組みの進展状況と新たなイシュー、先住民間の取組みへの温度差など、コロナ禍の期間に起こった変化に関する情報を得ることができた。 第2に、国内でオンライン研究会を計4回開催し、アジア地域での関連事例から情報圏と現実社会との相互作用を引き続き検討するとともに、これまでに開催した研究会を総括する作業を行った。その結果、前年度に整理した「情報圏が情報基盤の整備によってつくられる過程」や「情報圏が辺境統治の変容へとつながる過程」に関する知見と、これまでの調査から得られた2つの相互作用の道筋、すなわち国家やグローバル社会によるトップダウンの過程と住民が主導するボトムアップの過程をつなげるためのいくつかの変数をピックアップすることができた。 今後はもう1つの調査地であるベトナムにおいて同様の現地調査を行うとともに、上述した情報圏を介した辺境統治の変容に関してさらに考察を深めていくつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 2022年度の上半期まで、コロナ禍のために海外での現地調査が不可能であり、その影響が今年度にも残ったため。本格的な調査が未だ不十分であるため、もう1年研究期間を延長することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行ってきた研究会や文献レビュー等の活動を継続しつつ、昨年度から始動した海外現地調査を継続する。また、研究会のなかで同時並行的に研究の総括的な議論を行うとともに、今年度中に学会でセッション発表を行うことで、最終的な成果発表へとつなげていく。
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