Project/Area Number |
21K12454
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清龍 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50323473)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 山岳地域 / 寒冷地域 / レクリエーション・サービス / 地形変化 / 新型コロナウイルスパンデミック / ジオダイバーシティー / 人新世 / ダイナミックプロセス / 侵食 / 北アルプス / 屋久島 / 富士山 / 非生物多様性 / 複合的システム / 比較分析 / ポスト・パンデミック / サスティナブル・レクリエーション |
Outline of Research at the Start |
本研究は,地球規模の自然環境の変化と共に,新型コロナウイルス感染症パンデミックを経験した現代社会の総合的リカバリーのために,山岳地域特有の自然環境の価値を評価し,持続可能なレクリエーションのツールとしてアルパイン・ツーリズムの可能性を分析する.国内では北アルプス,大雪山,富士山,尾瀬の現場から分析を行うと同時に,海外の欧州アルプスや北米の山岳地域の事例も取り入れ,国際的に研究を実施する.本研究は,地質学,地形学,生態学の視点と観光学,社会学的観点を併せ持つことや,これまで山岳地域の評価においてあまり活用されなかった非生物多様性論から分析を行うことにより,新たな学術的知見の創生を図る.
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は利尻島、北アルプス、妙高高原、富士山及び屋久島の現場において調査を実施し、情報収集・分析に努めた。現地調査ではそれぞれの地域の山岳生態系やランドスケープにおける気候変動の影響について調べた。本年度は、特に生物多様性及び非生物多様性の接点の変化、レクリエーション・サービスの変化、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響や、観光のリバウンド効果、またそれぞれと関連するさまざまな課題について深掘り、異なる時空間スケールにおける山岳地域の自然・社会の変遷について検証した。生物環境及び非生物多様性の変化に関連する視点から、北アルプスの剱岳周辺の地形の変化(小規模の氷河の変化)、妙高高原や富士山周辺における地下水の変化などが確認でき、いずれの地域でも気候変動の影響による自然環境の変化は加速化していることがわかった。さらに、観光の視点から、それぞれの地域では新型コロナウイルス感染症パンデミックによる影響が残っているため、観光に関する諸取り組みでは早期の復活が望ましくされているが、気候変動や地形の変化を意識した対策が十分ではないまたは遅れていることがわかった。ただし、一部の地域ではパンデミックの影響が現在も残っており、想定していた調査ができなかったため、今後、改めて検証を行う必要がある。 また2023年度は、国内の事例調査と同時に北極圏における気候変動の影響についてデータを収集し、海外の寒冷地域の環境変化やそれに応える社会的取り組みについても調べた。現在、これらの検証から集めたデータをもとに分析の準備を進めており、今後、比較分析・総合分析を行うことを予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度も、一部の地域において新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響が残り、計画通りの調査が困難であった。また、ある程度回復している現場においても不安定な事情や新たな課題が発生しており、調査研究を円滑に実施できない地域があった。そのため、2024年度において引き続き情報収集および分析を実施する予定である。上記の理由から、プロジェクト全体の実行がやや遅れているが、一部の成果は既に学術論文として掲載済みであり、次年度の総合分析の準備ができているため、プロジェクト目標には到達できることが予想される。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は主に北アルプス、利尻山、妙高高原などの現場において調査を実施するほか、新しい現場として大雪山及び朝日連峰において現地調査を行う予定である。さらに海外の山岳地域の事例からデータを収集し、比較分析と総合分析を実施する予定である。 研究成果は、2024年度の地球惑星連合大会、日本地理学会など学術大会にて発表するほか、複数の論文にまとめることを計画している。
|