原爆遺跡の複合的構成による学習型観光都市の計画学的研究
Project/Area Number |
21K12470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
李 桓 長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (30341556)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 長崎 / 原爆遺跡 / 平和学習資源 / 平和公園 / 戦後復興初期 / 学習型観光資源 / 平和 / 戦災復興都市計画 / 国際文化都市 / 保存 / 複合的構成 / 学習型観光 / 学習都市 |
Outline of Research at the Start |
本研究は「学習型観光都市」をコンセプトとする観光モデルを、被爆都市である長崎において具体的に検証し、理論的な根拠を明確にする。現在、散在する個々の原爆遺跡・遺構を複合的に再評価し、都市基盤との関連性から観光計画と都市計画の理論を提起していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
原爆遺跡を平和学習の場として構築するために、遺跡の客観性に加え、都市空間における場所性、戦後の歴史の中での変容による側面などについて総合的に考察・評価する必要がある。そのために、2022年度は、長崎の原爆遺跡の代表事例の一つとして、長崎平和公園に焦点を当て、その形成過程や変容に着目して研究を行った。長崎の平和公園の中に原子爆弾の落下中心地である「爆心地公園」が最も重要な原爆遺跡の一つである。建造物のような遺構が残されているわけではないが、場所的な意味で平和学習の重要な役割を果たせるものだと考える。戦後の歴史においては、長崎市は広域の記念公園をつくることにあたり、爆心地公園のほかに、平和祈念像を中心とした「平和公園」などをつくった。平和祈念像のある「平和公園」は現在、毎年の平和祈念式典のメイン会場として利用され、平和祈念像は長崎の被爆のシンボルとなってきた。平和学習の観点から長崎の平和公園のような場所をどのように効果的に利用するか、そこで、場所の再評価を試み、その歴史的な形成と変容について考察を行った。そこで得られるヒントを他の原爆遺跡の保存と利用にも生かしたいと考える。考察の方法として、『長崎新聞』と『長崎日日新聞』の記事にされている原爆記念日の慰霊活動を調べ、戦後初期の慰霊活動の特徴、爆心地における慰霊活動の形成、そして平和祈念像の形成による慰霊場所の変容などを具体的に捉えた。その成果を「戦後初期の長崎市の原爆慰霊活動をめぐる新聞記事―長崎平和公園の形成における歴史的な背景」の論文にまとめ、長崎総合科学大学地域科学研究所紀要『地域論叢』に発表した。その続編を現在まとめているところで、長崎総合科学大学紀要に発表する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目標を達成するために、平和学習およびツーリズム的な利用の観点、そして、都市計画のとの相関関係から長崎の原爆遺跡を再評価していく、という作業が基礎となり、そのための既存資料の再調査と実地調査を予定しているが、2021年度に続き、2022年度も新型コロナの感染拡大が収まらず、現地調査活動が大きく影響を受け、実地調査が取り組みにくい状態が続いていた。よって、この部分の研究作業は遅れ、分析作業も影響を受けて進捗が遅れている。 他の先進事例との比較研究を行うことを計画している。しかし、長崎における研究対象のデータ整理と分析が遅れを取っているため、既往研究の基礎資料の収集作業を継続しているが、比較研究と関連の論文作成の作業は遅れている状態である。 全体的な進捗は計画通りに至っておらず、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの資料や新聞記事を通した調査は進み、新たな発見があった。これらは今年度もこの歴史的な変遷についての研修を続き、研究成果としてまとめる。 実地調査を行い、調査成果を踏まえ、都市計画や都市空間との関係から原爆遺跡の評価を行い、その成果をまとまる。合わせて、他の先進地域との比較の視点も取入れ、歴史資源を平和資源として生かせることに必要なコンセプト、社会的、政策的、技術的な取り組みについて研究し、理論的な検討と研究成果をまとめる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)