観光経験の哲学的分析及びその観光倫理教育への活用手法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21K12493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
原 一樹 京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (90454785)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 観光者の倫理 / 観光の倫理的コード / 観光教育 / スロー運動 / スローツーリズム / モビリティ・ジャスティス / 観光経験 / 想像力 / 観光倫理教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、観光者の観光経験の哲学的理解をいかに深めることができるか、また、その成果をいかに適切に観光倫理教育に導入することができるかという問題を解明する。研究1年目に「観光者の想像力・知覚・感情」、研究2年目に「出会いの偶然性と主体の変容」、研究3年目に「価値創造」と「観光倫理教育への観光経験の哲学的分析成果の導入手法の定式化」の研究を行う。理論的資源としては、観光学の先行理論に加え哲学・倫理学・文学等の人文知を活用する。観光倫理教育への観光経験の哲学的分析成果の導入については、スピリチュアルツーリズム、コンテンツツーリズムという具体的観光現象と関連させつつ、手法の定式化を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「観光経験の哲学的分析及びその観光倫理教育への活用手法に関する基礎的研究」と題し、3か年の計画で、「観光者の観光経験の哲学的理解をいかに深めることができるか、また、その成果をいかに適切に観光倫理教育に導入することができるか」という問題を解明するものである。研究2年目である2022年度は以下の研究を遂行した。一つ目の研究として、「観光倫理研究の現状と課題―英語圏の先行研究と自然・人間・社会の複雑さを踏まえて」と題した論文を発表した。この論文は、観光開発の現場での倫理学理論の活用、倫理的コード、観光者の倫理、観光教育の枠組みにおける倫理の位置、という4つのテーマにつき、現状と課題を包括的に分析したものである。この作業を通し、本年度の中心課題であった、「観光者という主体の変容」という問題を分析する学術的諸観点(徳倫理における学習や訓練、観光における「ナッジ」の活用等)を洗い出し整理できた点が重要である。二つ目の研究として、「スローツーリズムに関する基礎的研究―スロー運動との関係性および定義・現状・展望―」と題した論文を発表した。この論文は、哲学的・倫理学的観点からも注目されるスロー運動やスローツーリズムという現象について、国内外の理論・実践状況を踏まえその現状と課題を分析したものである。特に、本年度の中心課題であった「観光者という主体の変容」という問題について、現代の観光者がいかに観光経験への欲望や移動手段の選択行動を変容させる必要があるかという点に関し、考察を深められた点が重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、「観光倫理研究の現状と課題―英語圏の先行研究と自然・人間・社会の複雑さを踏まえて」と題した論文と、「スローツーリズムに関する基礎的研究―スロー運動との関係性および定義・現状・展望―」と題した論文の2本を発表することができた。この作業を通して、2021年度に引き続き、観光者の想像力・欲望・知覚・感情や、観光者という主体の変容というテーマについて、哲学的・倫理学的観点からの考察を深めることができた。以上により、本研究計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、本研究の主軸を為す問いである、「観光者の観光経験の哲学的理解をいかに深めることができるか、また、その成果をいかに適切に観光倫理教育に導入することができるか」という問題を念頭に、2021年度・2022年度の成果を踏まえ、哲学的次元での観光経験の理解、出会いの偶然性と観光者という主体の変容、観光を通した価値創造という諸要素を、いかに高等教育での観光倫理教育手法に具体的に導入できるかにつき、概念的な探究を行い、方法論として取りまとめる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)