北朝鮮ドラマ/映画のジェンダー表象と家父長制に関する研究
Project/Area Number |
21K12505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
山下 英愛 文教大学, 文学部, 教授 (80536235)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 韓国ドラマ / 北朝鮮ドラマ / フェミニズムドラマ / 家父長制 / ジェンダー規範 / 北朝鮮 / ジェンダー / ドラマ / 映画 / 表象 / バード / 統一言説 / 後継ぎ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、北朝鮮で制作され放映されたドラマ(映画を含む)をジェンダーの視点から分析し、日常生活や社会における性役割や性規範を考察する。それらが北朝鮮特有の国家家父長的支配体制とどのような相関関係をもってきたのかを歴史的に明らかにするために、以下のことに取り組む。 ①北朝鮮ドラマのジェンダー分析:ドラマを時代別に分類して視聴し、体制側が求めた女性/男性像と生活上のジェンダー役割を考察する。 ②韓国との比較:南北のドラマ比較を通して家父長制文化がどのような共通点と相違点をもちながら変容してきたのかを考察する。 ③北朝鮮ドラマとジェンダーに関する諸外国における研究を収集し整理する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問いは、①北朝鮮社会における生活世界のジェンダー規範はどのようなものなのか、体制側はドラマ/映画を通してどのような理想像を示し、それを体制維持につなげてきたのか?②長年同じ家父長制文化を有してきた南北のジェンダーは、分断後どのように変化してきたのだろうか?共通点があるとすれば、それはどのような点なのか?というものである。これらの問いを究明するために、①北朝鮮のドラマ/映画を視聴・分析し、それぞれのジェンダー的特徴を考察する。②朝鮮半島の家父長制の現代的変容という視点から、北朝鮮ドラマ/映画と韓国ドラマとを比較し、ジェンダー特徴の共通点と相違点を探ることである。 本年度は、当初、60~70年代の映像に焦点を当てる予定だったが、この時代の韓国ドラマは視聴が難しく、文献調査を中心に行なわざるをえなかった。また、北朝鮮のドラマについても、視聴が可能だったのは70年代末以降のものに限られた。さらに、比較の軸としての分析枠組みや分析ポイントを設定するのが容易ではなく、方法論的な考察を深める必要があった。 これらの問題と格闘しつつ、本年度は以下の作業を行った。①映像及びジェンダーに関する北朝鮮研究(論文及び書籍)を中心に収集し、学習した。②北朝鮮の映像の収集及びリスト化作業。③北朝鮮の映像と比較するための韓国の初期の映像(50年代の映画と80年代ドラマ)を収集・視聴し、分析作業を行った。80年代のドラマ「半分の失敗」(24話)については、映像を購入することができた。さらに、韓国の清州市にオープン(2020年)した金秀賢ドラマアートホールを訪問し、韓国ドラマの歴史的理解を深めることができた。④とりわけ③に関する研究内容を講演などを通して発表した。⑤K-Gender 研究会活動の継続。⑥次年度の国際学会でのパネル発表の準備、などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は二度の韓国訪問を行った。金秀賢ドラマアートホールでは韓国ドラマの歴史を理解する上で大きな収穫があり、二度目の訪問ではKBSで80年代のドラマを購入することができた。その一方で、北朝鮮の映像に関する研究を論文にまとめる作業ができなかった。その理由は、①今年度に入って予定外の校務を任され、時間を取られてしまったこと。②その影響もあって体調を崩したこと。③本研究とは直接関係はないが、これまで筆者が進めてきた研究に関して、昨年2月に新版本を出版した影響で、韓国の国際カンファレンスでの発表や論文執筆を依頼され、本研究に割ける時間が限られてしまったことなどが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は以下の通りである。 ①国際学会(バークシャー)で北朝鮮の映像とジェンダーに関するパネルを組み、発表を行う。 ②2023年9月から1年間、米国のラトガース大学の北朝鮮研究者のもとで在外研修を行う。そこで、米国における北朝鮮研究の現状について把握し、北朝鮮の映像研究やジェンダー研究に関する論文等を収集する。また、滞っていた論文執筆を再開する。 ③北朝鮮の映像と比較する上で必要となる韓国ドラマに関する研究をまとめる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)