Gender Norms Construction in National and Transnational Digital Media Spaces
Project/Area Number |
21K12512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高馬 京子 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (60757475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋美 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (70611739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | デジタルテクノロジー / ジェンダー表象 / ソーシャルメディア / ファッション / マッチングアプリ / 親密性 / エンパワーメント / データフェミニズム / デジタルメディア / トランスナショナル / 規範 |
Outline of Research at the Start |
マスメディアと異なり、多様な発信者によって発信することが可能になった各国のデジタメディア空間において、いかなるジェンダー像が構築されているのか、またデジタルメディア空間は、マスメディアと異なり、ジェンダー表象にとってジェンダー平等を表明できるエンパワーメント空間として存在しているのかをい日欧比較の視点から考察することである。欧州といった横断的かつ学際的にデジタルメディア空間におけるジェンダーの自己、他者表象の構図を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の成果として、ここまで進めてきた研究をまとめ出版という形で発表した。 高馬はそれまで進めてきた現代日本における異性愛・婚活マッチングアプリの利用者像が、様々なメディアの言説を通じてどのように構築され、どのような役割を担ってきたかを検討した。読者のニーズに応じて様々な理想の女性像を提示してきた女性ファッションメディアにおいて、異性との恋愛・結婚マッチングアプリの利用者としての女性像がどのように構築されてきたかを、言説分析と構築主義の観点から考察した。その結果、様々な女性ファッションメディアにおいて、各種マッチングアプリを利用する際に想定される「リスク」を乗り越え、明確に結婚を望む女性像だけでなく、マッチングアプリの利用者として「恋活」「性活」といった多様な欲望を持ち、積極的・主体的にそれを実現する多様な女性像が形成されていることが明らかになった。また、「デジタル社会におけるファッションメディアとジェンダー表象」については、「デジタル的転回」を行ったファッションメディアは、当初マスメディアの提示する規範的女性像とは異なる自分の姿を自由に提示できる場であるエンパワーメント空間としての可能性を有し、現在でもアクティビズムの場として存在する一方で、他方、ファッション産業間の経済的依存構造が強まりその継続が難しくなっている点を明らかにした。 共同研究者の田中は「デジタルテクノロジーとジェンダー」について、社会のデジタル化という近年の一大社会変動について、ソーシャル・メディア、データ、人工知能の三つに関するジェンダーの、そして様々な権力関係を論じた。田中は、デジタルな社会過程では、特定の勢力に資源、富、影響力が集中しているさま、ソーシャルメディアを含め、デジタルテクノロジーが現在不均衡な権力関係によって特徴づけられている点について、人工知能に着目し論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度の成果として、ここまで進めてきた研究をまとめ出版という形で発表できた。まず第一として、ナショナル・トランスナショナルなデジタルメディア空間におけるジェンダー規範の構築に関する本研究において、初年度に行ったデジタルテクノロジーとジェンダーについて、親密性に着目をし検討した研究を再考し、国際ジェンダー学会学会誌20号の特集としてまとめた。共同研究者の田中は社会学、ジェンダー論の観点から親密性、デジタルテクノロジーとジェンダーを考える上での理論的、社会的背景を再考し、また、高馬は「日本のメディアで構築される異性愛恋活・婚活マッチングアプリの利用者という女性像の表象」としてまとめた。高馬、田中の論考に加えさらに本特集に、キャサリン・ディグネイジオ氏(マッサチューセッツ工科大学)の「データ・フェミニズム」、また、陳力深氏(香港中文大学)の「マッチングアプリ文化におけるネットワーク化された性的公衆の出現」及び砂川秀樹氏の「日本のゲイアプリをめぐる多様な経験と可視化の衝撃」という3本を加え、本特集を通して、親密性をめぐるデジタルテクノロジーとジェンダーの現状と課題を浮き彫りにした。 また、研究、準備をすすめていた『デジタル社会の多様性と創造性――ジェンダー、メディア、アート、ファッション』というタイトルの書籍の編集、執筆に高馬、田中も加わり刊行した。高馬はその中で「デジタル社会におけるファッションメディアとジェンダー表象」について、共同研究者の田中は「デジタルテクノロジーとジェンダーーソーシャルメディア、データ、人工知能をめぐる権力論にむけて」の研究成果をまとめた。 以上の成果を通して、デジタルメディアにおける規範的女性像がいかに構築されていくのか、デジタルテクノロジーがエンパワーメント空間を成立させるかについての議論を提示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に刊行した二つの成果を通して検討してきた、ここまでデジタルメディア空間の限界と可能性について検討してきたことを踏まえ、デジタルテクノロジーがエンパワーメント空間を成立させることができるかを検証するためのナショナル、トランスナショナルなデジタルメディア空間におけるジェンダー規範の構築について検討する事例として、高馬は、①主にCovid19の後、外出や人との物理的接触が制限されたときに、「あつまれ動物の森」などゲームをはじめ様々なデジタルファッションを楽しむメディアが発展したことを背景に、そこでアバターを用いて身体なき自己がヴァーチャルファッションを身に着けることで構築するジェンダー像について検討する。また、同時に②ナショナル、(フローバルではなく)トランスナショナルなデジタルメディア空間によってその構築が多様に規範的ジェンダー像に追従していなかった人々にとってエンパワー的に推進される反面、かつ権力にも利用されていった経緯もみられる「かわいい」ジェンダー像がいかに様々な行為者(メディア、着用者、観察者など)によって枠組みを超越しながら重層的に構築されたか、「かわいい」について調査を行う。共同研究者である田中は、ここまでの調査をベースにさらにデジタルテクノロジーとジェンダーに関する理論的考察を進める予定である。これらの研究を進める中でナショナル、トランスナショナルなデジタルメディア空間におけるジェンダー規範の構築についてより多角的に検討を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)