The applicability of Queer Theory to Empirical Research in Sociology: Theoretical Investigations of 5 principal concepts
Project/Area Number |
21K12513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森山 至貴 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (50745510)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | トランスフォビア / ミソジニー / 認識的不正義 / クィア理論 / ホモソーシャリティ / 同性婚 / パフォーマティヴィティ / 性的少数者 / ネオリベラリズム / 社会運動 |
Outline of Research at the Start |
性的少数者の被差別経験やライフスタイルに関する社会的関心の高まりとともに、性的少数者に関する実証的な社会学研究をより緻密に読み解くスキルが、ますます日本社会に必要とされるようになってきている。 そこで本研究は、クィア理論が性的少数者に対する社会学的研究にいかに貢献しうるかを明らかにするため、クィア理論における5つの概念「パフォーマティヴィティ」「ホモソーシャリティ」「ヘテロノーマティヴィティ」「新しいホモノーマティヴィティ」「ホモナショナリズム」の理論的含意を、実証的な社会学研究に利用可能な形に再記述・再形成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、クィア理論に関するアウトリーチ活動に重点をおいた。具体的には、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(能町みね子氏との共著)の執筆と出版を行なった。同書籍の中では、クィア理論成立の経緯、クィア理論における強く戦闘的で現状否認的な態度の有効性、くわえて、トランスジェンダーに関する学術的議論の不足をクィア理論もまた乗り越えようとしている点について、具体的なエピソードとともに紹介した。
また、クィア理論の社会問題への応用に関する喫緊の課題として、日本社会にも蔓延するトランスフォビアを学術的な視点から批判していくことが挙げられる。2023年度中には、「社会のあり方は性別にどう関係するのか?」(飯田高・近藤絢子・砂原庸介・丸山里美編『世の中を知る、考える、変えていく──高校生からの社会科学講義』)において、性別に関するクィア理論の視座からの検討が、トランスジェンダーを含むさまざまな人々の性のあり方を尊重することに繋がると論じた。本研究課題に取り組み始めた2021年度と比べ、トランスフォビアが全世界的に高まった2023年度においては、そもそも「性別」そのものに関する学術的議論が圧倒的に必要とされており、当初の研究計画にはなかったものの、このテーマについて扱うことが、本研究課題においては重要な意義を持つと考え、考察に着手した。このテーマについては、引き続き執筆機会があると予見されるため、特に英米系の分析哲学系フェミニズムの議論を調べつつ、考察をさらに進めたい。
なお、前年度から継続した作業課題である「ホモソーシャリティ」概念については直接検討できなかったが、研究を進めた上で単著として出版する計画は継続中であり、その方法論的な下敷きとなる分析系の哲学の検討はおこなった。具体的には、ケイト・マンのミソジニーに関する議論、ミランダ・フリッカーの認識的不正義に関する議論を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学内役職者としての業務に多くのエフォートを割かざるを得ない状況となり、特定のトピックに絞っての重点的な資料探索、検討および分析はなかなかできなかったが、広くクィア理論に関するトピックについて検討、考察はできている。とりわけ、共著という形ではあるが、クィア理論に関する書籍を発表できたのは、研究内容の社会への還元という観点からも意義あることだったと考える。
また、分析哲学的なジェンダー・セクシュアリティについての考察については検討を進められており、研究内容の書籍化への準備は整いつつある。次年度は「ホモソーシャリティ」に関する具体的な資料探索を積極的に行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の過程の延長線上にあるものとして、分析哲学の方法論によってホモソーシャリティ概念を鍛え直し、実証研究において有意義に使い撃つ概念として彫琢することを目指したい。具体的には、1970年代の組織経営論におけるホモソーシャリティ概念の意義と限界について調べた上で、現代的なホモソーシャリティ概念の定式化を目指したい。こちらは書籍化を目指している。
くわえて、クィア理論におけるキー概念が実証的研究において持ちうる意義と限界について、一般論的な観点からまとめる機会を設けたい。内容から考えて、学術論文の形で発表することを考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)