性暴力被害者に対する法的救済の仕組みーフェミニスト法理論からのアプローチ
Project/Area Number |
21K12514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
山本 千晶 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (90648875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 性暴力 / 性虐待 / 性暴力被害者支援 / 性的DV / DV被害 / ワンストップ支援センター / COVID-19 / 親密な関係性における性暴力 / 精神的DV / ジェンダー / セクシュアリティ / 性犯罪 / フェミニスト法理論 |
Outline of Research at the Start |
被害を訴え出ることができないという被害者が非常に多いという性犯罪の特徴に鑑み、本研究では、このような被害者に対して、法的救済はどのようにして可能となるのかについての検討を目的とする。そのために、相談支援に携わる支援員を中心にヒアリング調査を実施することにより、支援とともに権利回復のための自己決定が可能となるような主体像(「支援とともにある権利主体」)を提示する。そして、権利主体をめぐるフェミニスト法理論及び法哲学的、憲法学的議論を整理し、「支援とともにある権利主体」という視座から、被害者を救済するための積極的権利の概念構築を行うとともに、被害者のニーズに沿った具体的施策について考察を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はヒアリング調査を精力的に実施し、その成果の一部を学会発表及び論文として報告した。 ヒアリング調査として、性暴力被害者のためのワンストップ支援センター・支援員へのインタビューを行い、近年の性暴力被害の動向やコロナの影響、警察との連携等について詳しくうかがった。性暴力被害の相談窓口においては、相談件数は年々増加しており、とくに被害者・加害者双方の若年化の問題や家庭内での性的虐待ケースの増加といった問題点が挙げられた。一方で、内閣府男女共同参画局が実施している『男女間における暴力に関する調査』等によって明らかになっているように、性暴力被害の半数が(元)配偶者やパートナー、恋人からのものであるが、性的DVの相談は依然として数が少ないということであった。では、これらの相談はDV相談窓口につながっているのか。この点については引き続き今年度も調査を続けていく予定であるが、興味深いことに、国が設置している相談窓口「DV相談+(プラス)」 に寄せられた相談では2022年上半期は性的DVに関する相談が若干の増加傾向を示している。相談内容の一部を分析したところ、「報復」や「制裁」として性的DVが行われている実態が浮かび上がってきた(内閣府男女共同参画局『「DV相談+(プラス)事業における相談支援の分析に係る調査研究事業」報告書(令和4年度前期)』(近日公表予定))。そこで、DV被害の中でもこれまで潜在化しがちであった種々の被害が顕在化しているのではないかと考え、コロナ感染症対策に伴う外出制限等の影響について考察し、その成果を亜細亜女性法学会において発表し、また、加筆修正の上で論文としてまとめ『亜細亜女性法学』において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は予定していたインタビュー調査を概ね実施することができたものの、2021年度はコロナの影響でインタビュー調査の実施が難しかったこともあり、現在までに予定していたインタビュー調査が未完了である。 また、インタビューの計画段階では、被害者支援に焦点を当てながら、支援によって自己決定が可能となる主体像(したがって、既存の自律的な個人像の捉え直し)の理論的位置づけを模索する予定であったが、インタビュー調査を進めるうちに、被害者-加害者の関係性や被害者の属性によって当然ながら被害者のニーズや支援の方法は異なるため、性暴力被害をさらに絞り込む必要性が生じてきた。現在、先行研究の洗い出しや質問項目の絞り込みや精査を行いながら検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
11月に韓国で実施した(DV家庭の調査を担う)家庭法院調査官と(DV加害者の更生プログラムや被害者の支援を行う)韓国家庭法律相談所でのインタビュー調査からは性的DVが相談の中でほとんど触れられないということであった。親密な関係性における性的DVは「性暴力相談」においても「DV相談」においても顕在化が困難であることがわかる。そこで、今年度は、性的DVの潜在化を研究の柱の一つにしながら、顕在化のための支援のあり方について検討していきたい。引き続き、関連機関や団体にインタビュー調査を実施するとともに、理論面からもアプローチする。 それと同時に、家庭内における性的虐待の増加傾向とその支援の難しさについても課題である。2月~3月に訪問した更生保護施設等の施設では更生保護や支援を必要とする女性の比較的多くが家庭内で性的虐待を含む虐待被害に遭っていたという過去がある。被害への支援が適切なタイミングでなされないまま放置されることで、その後も犯罪被害や加害に巻き込まれる、あるいは遭遇してしまうことにつながりかねない。その点で、現在、ワンストップ支援センターに寄せられている性的虐待の相談件数が増加しているとはいえ、まだまだ支援につながらない被害も多いことが予想される。支援につながった被害者だけでなく、支援につながらない被害者にも調査対象を広げることで、支援につなぐための適切な介入の方途を検討していく必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)