清酒酵母のウラシル要求性株を用いたイオンビーム育種技術の遺伝子変異点の特性解析
Project/Area Number |
21K12528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | Gunma Prefectural Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
渡部 貴志 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 独立研究員 (60727832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 昌臣 群馬県立産業技術センター, その他部局等, 技師 (30868930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 清酒酵母 / イオンビーム / ウラシル要求性 / 生菌率 |
Outline of Research at the Start |
現段階の技術ではイオンビームを用いた清酒酵母育種技術の可能性を引き出し切れていない。この要因の一つが、イオンビーム照射を行う前の試料の調製段階で、生菌率が低下してしまっているためと推測されたため、生菌率が90%となる調整方法を確立した。本研究では、モデル目的変異としてウラシル要求性を指標にすることによって、イオンビーム育種技術の可能性を最大限に活かし、優良変異株の取得を促進させることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
きょうかい清酒酵母701号(K701)を用いて、従来の炭素イオンビームの他に、ヘリウム、ネオン、アルゴンのイオンビーム、炭素イオンビームでも表面に与えるエネルギー(LET)が異なるもの2種、そして比較対照のUV照射を行った。その結果、イオン種によって生菌率や5-FOA耐性変異株(=ウラシル要求性候補株)が得られる効率が異なることが分かった。なお、得られたK701の5-FOA耐性変異株について、ウラシルが含まれていない最少培地で培養を長時間行うと、変異が元に戻るためか増殖してくるものがあるため、5日目までに成育してきた株は、変異が不安定であると考え、除外した。 続いて、ウラシル要求性が確認された変異株77株と、親株のK701を用い、バイオフォトレコーダーを用いて増殖性を調べた。2021年度の実験では、YM培地で培養したところ、ウラシル要求性株の最大増殖量が親株より大きく下がっていたことから、YM培地にはウラシルが不足していることが考えられていた。そこで、最少培地にウラシルを添加する量とされている40ppmをYM培地に添加してみたが、K701の増殖速度と増殖量にまで改善する効果は無かった。しかしながら、ウラシル要求性株間で増殖速度に差が認められたため、初期菌体量(OD660)が0.1となるように接種し、OD660が1.0になるまでの時間を調べた。その結果、K701では約8時間でOD660が1.0になったのに対し、全てのウラシル要求性株は、K701よりも増殖に大きな遅延が見られた。UVおよびC220照射によって得られた変異株は、株間の増殖速度の差が少ないのに対し、He50、C320照射の場合は差が大きかった。 各種の変異処理方法で取得したウラシル要求性株について、URA3とURA5遺伝子配列を解析したところ、変異が確認されたものが複数得られたので、全ゲノム配列の解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた2年目となる2022年度の内容は、全て検討することができたため、おおむね順調であると思われる。一方で、当初予定していたイオンビーム照射条件よりイオン種を増やしたため、得られたウラシル要求性株が3倍程度は多くなった。このため、予定より前倒しで全ゲノム配列データを外注で取得することができているが、解析する必要のある株数が増えているため、データ解析に多く時間が要することが予測される。これらのことから、当初計画よりも進展しているとまでは考えられないが、対策も取れているため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、2023年度は全ゲノム配列解析によるウラシル要求性株の目的外遺伝子変異箇所の推定を行うこととしている。全ゲノム配列の解析は2022年度中に行っているため、得られた生データを解析し、ウラシル合成遺伝子のURA3、URA5の変異点を確認することや、目的外遺伝子変異箇所を見つけることを、ソフトウェアを利用して行うことを考えている。 研究協力者である量子科学技術研究開発機構では、多くの微生物の全ゲノム配列解析を実施した実績があるので、解析方法などのアドバイスをしていただけることになっている。 一方、本研究の目的であるイオンビーム育種技術の遺伝子変異点の特性解析は、最終的には優良清酒酵母開発にイオンビーム育種技術を利用するためのものである。このため、派生研究として、群馬県独自の清酒酵母にイオンビーム照射し、得られた変異株の醸造特性を評価することによって良好な結果が得られれば、本研究を推進するための有望な成果になると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)