Project/Area Number |
21K12544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
小宮 加容子 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (60386894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 多聞 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10272189)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 試験片の制作 / テスト実施 / 実験環境整備 / 現状調査 / 文献調査 / セミナー参加 / 触覚刺激の指標化 / 未就学児 / 発達障害 / 感覚統合 / 玩具デザイン |
Outline of Research at the Start |
近年、発達障害の子どもが増えている。この原因として身体と感覚の調整が上手くできないことが挙げられる。特に「触覚」による感覚の受容は、子どもの成長に重要な役割をはたしており、この経験を重ねることで様々な感覚と身体の統合が上手くできるようになる。本研究の最終的な目標は、子どもが能動的に「触る」経験を重ねることを支援する玩具の開発であり、この玩具開発のため子どもの「触覚の指標」を明確にすることを目的とし、温度、硬さ、粗さ、重さについて試験片を用いた実験を行う。研究成果としては、子どもが違和感なく触ることを許容できる範囲、および各試験片の違いに気づく触知上の感度についての指標が得られる予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年は試験片の制作およびテスト実施を中心に、文献調査、関連セミナーへの参加による情報収集を行った。 まず、試験片の制作およびテスト実施については、①刺激の種類による強さの感じ方の違い、②重さの違いによる差の判断の違いについての2種類を行った。 テスト①については、条件の異なる5種類の試験片を1セットとし、手触りだけの情報から「刺激が強い」順に選ぶというテストを実施した。試験片は手触りの異なる5種類を用意した。また、指先だけでなく手のひらを使って刺激を感じることができるように試験片のサイズや形を検討し、10cm程度のひも状にした。 テスト②については、重さの異なる5種類の試験片を3セット用意し、手触りだけの情報から重い順に選ぶというテストを実施した。試験片のセットは、A.重さの差が等間隔で重くなる5種類、B.重くなるにつれ重さの差が小さくなる5種類、C. 重くなるにつれ重さの差が大きくなる5種類、の3セットである。また、指先だけでなく手のひらを使って刺激を感じることができるように試験片のサイズや形を検討し、直径5㎝の球体とした。 実施の結果、テスト①は、やわらかい素材を「とてもやわらかいという刺激が強い」と回答する場合と、粗い素材を「とても粗いという刺激が強い」と判断する場合があることがわかった。また、テスト②については、比較対象となる試験片の重さの差が同じ場合でも、重い試験片同士を比較する場合と軽い試験片同士を比較する場合によって判断結果が異なることがわかった。テストの結果を参考に刺激の素材や条件設定について、引き続き、検討する。 次に、文献調査、関連セミナー、学会参加による情報収集を行った。調査結果の1つとして、人はそのモノを触る前に視覚からの情報によって快・不快(触りたい、触りたくない)を判断する。そのため、視覚からの情報で「触りたい」と思わせることも重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症の影響を配慮し、オンラインセミナーを中心に情報収集を行った。また、試験片の制作についてはテストを実施しながら、刺激の強さ、比較対象の影響などを検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り令和5年度は、引き続き、試験片の制作とテストを実施する。また、最終年度であるため、3年間の実施結果をまとめ、温度、硬さ、粗さ、重さについて、それぞれ、好んで触るか否か、そして、どの程度の差があれば異なる条件の試験片であることに気づくのかを検討し、「触覚の指標」を明確にする。
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