眼球運動とウェブマイニングによるコンテンツデザイン評価法の確立と設計指針の導出
Project/Area Number |
21K12563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
松延 拓生 和歌山大学, システム工学部, 助教 (70322211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 利宣 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80294304)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 眼球運動 / ウェブマイニング / コンテンツデザイン / 評価構造 / 仮想現実感 / 選好調査 / セーラー服 / 瞳孔径 |
Outline of Research at the Start |
ウェブにより商品やサービスが提供されているが,デザインの指針は経験的なものが多く,実験を通して定量的に示されたものはほぼ皆無である.本研究では,次の2つの視点からユーザにとって使いやすく,わかりやすく,魅力的なウェブサイトデザインを構築するための要因の抽出と体系化,それを実装したレスポンシブなウェブシステムの提案を目的とする. 1.ウェブサイトを利用する際の各コンテンツに対する注目度,理解度をアイトラッカによる生理的な評価を行う. 2.ウェブサイト上に記載されている製品情報や評価文の重視度,理解度の明確化,ならびにウェブデザインを構成するデザイン要素と魅力度などの感性評価との間のモデル化を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はウェブコンテンツをケーススタディにして,ユーザの理解度,選好調査を行い,開発した瞳孔径変動を分析する方法を用いて,その評価を左右する要因(設計指針を構築する際の着眼点)を明確にした.仕様を重視した商品とデザイン重視の商品を扱った2種類のコンテンツ実験を行った.その結果,デザイン重視の場合はタスク開始直後に興味度の高かった商品が注視されることがわかった.仕様重視の場合は,合計注視時間が長い項目と重要視する項目の関連性が示唆された.また,意思決定方略について,仕様を重視するコンテンツでは,瞳孔径LF/HF上昇中の瞬目群発から興味,選択決定,迷いであることが示唆された.さらに3DCGを用いたVRコンテンツを対象に,仮想空間上での視線計測による興味度と興味の質の推定を検討した.その結果,瞬目の群発箇所や瞳孔径変動LF/HFから興味の変化箇所と関連があり,項目の注視回数は興味度と関連があることが分かった. 研究分担者は,衣服デザイン評価を対象に,セーラー服をケーススタディに,仮想空間上での視線計測と衣服選好の関係性を明らかにすることを目的とした.女子大学生にセーラー服の画像を対象とした選好調査を行い,プロトコル分析によってその発話内容からデザイン要素を抽出した.次に,得られたデザイン要素を実験計画法の直交表に基づいて組み合わせ,セーラー服の3Dサンプルを作成し,仮想空間上でそれらの選好評価と被験者に対して視線抽出実験を行った.その結果,各サンプルへの選好評価値から算出した主効果から,セーラー服の選好へ寄与しているデザイン要素を分別することができた.アイトラッキングによって計測した視線情報と主効果を比較考察した結果,被験者全員に共通して,セーラー服のファーストインプレションは肩部・胸部が担っている可能性が高いことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松延班の研究では,前年度に開発したソフトウェアを拡張し,コンテンツに対するユーザの評価を調査した.商品を販売するウェブサイトを対象に興味や意思決定過程をした.より意思決定過程を明確にするために従来の注視, 瞳孔径変動のLF/HF に加え, 瞬目, マイクロサッカードを活用する方法を検討した. 評価のために, 架空のショッピングサイトから欲しい商品を選択してもらい, タスク終了後に各商品についての興味度を問うアンケートと, 動画を見ながら選択中に考えたことについてインタビューを行った. その結果,マイクロサッカードについては,検出数が少なく検討できなかった.仕様重視のコンテンツにおいて,瞳孔径変動のLF/HF 上昇区間中の瞬目群発は,初めて見る情報ばかりを閲覧しているときか一通り閲覧した後かによって,意思決定過程を興味と選択・決定・迷いに区別できることが示唆された. さらに,3DCG を用いたVR コンテンツにおいて,VRHMD の位置座標から,とどまっている時やのぞき込んでいる時,歩いている時などを区別することができるか検討した.意思決定過程における興味の変化箇所が分かれば.興味の質の推定に繋がると考え,瞬目の群発箇所や瞳孔径変動LF/HF から興味の変化箇所の特定を行った.また,各項目の注視回数からユーザーの興味度を抽出できるか検討を行った.その結果,瞬目の群発箇所・瞳孔径変動LF/HF は興味の変化箇所と関連があり,項目の注視回数は興味度と関連があることが分かった. 原田班の研究では,アイトラッキングによって計測した視線情報と主効果の比較研究はおおむね順調に進んでいるが,選好,非選好に影響を与える要素の判別は難しいことが確認された.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策は,基本的には当初研究計画通りとなっている. 令和5年度研究代表者は種々のウェブコンテンツに対する評価実験を通して実際にコンテンツをデザインする際の設計指針の導出を行う.研究代表者と研究分担者はそれぞれ種々のコンテンツを用いて,評価実験を行い,コンテンツの特徴ごとに設計指針を導出し,体系化を行う.以上の成果を元に実装した視線に対しレスポンシブに変化するシステムを用い,その設計指針の検証と改良を行う. 研究分担者は,選好,非選好に影響を与える要素の視覚化を目指し,深層学習を行い,そのネットワークが獲得した特徴をGrad-CAMを用いて視覚化を行う予定である.それとアイトラッキングによって計測した視線情報の視覚化との比較を行う予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)