圧力波を利用した刺激に対する非線形粘弾性応答に関する研究
Project/Area Number |
21K12627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
橋本 時忠 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (90392860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住 隆博 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (30358668)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 圧力波 / 球形気泡振動 / 粘弾性 / 物性推定 / 逆問題解析 |
Outline of Research at the Start |
圧力波として刺激を生体組織に適切に与えれば治療法として利用できる一方で,損傷として現れる可能性があるため,圧力波刺激に対する細胞の応答を十分に理解する必要がある.その応答は軟組織の粘弾性が深く関与していると推測されるので,その瞬間的な粘弾性特性を調べることが有効であるが,衝撃波を伴う現象は非線形変形を示し,ひずみ速度は大きいため既存の装置では計測不可能である.従って軟組織に関して圧力波刺激に対する応答と粘弾性特性の関係について理解を深めるために,生体を模擬した粘弾性物体を用いて非接触的に計測できる気泡振動を利用した逆問題解析物性推定手法によりその関係を明らかにするものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
圧力波として刺激を生体組織に適切に与えれば治療法として利用できる一方で,損傷として現れる可能性があるため,圧力波刺激に対する細胞の応答を十分に理解する必要がある.我々はこの現象が生体組織の機械的性質である粘弾性体が関係していると推測しており,そのためには正確に粘弾性物性を評価可能な測定法が必要となる.粘弾性体は粘性と弾性の性質を併せ持つ動的物性が問題となり,一般的に粘弾性体の動的物性はレオメーターを用いて行われる.この方法で測定可能な周波数領域は,およそ10^3 /s以下の低ひずみ速度領域に限定される.一方で衝撃波を伴う現象は,およそ10^3 /sを大幅に超えた高ひずみ速度領域に位置するため,新たな高ひずみ速度領域における物性推定法として,粘弾性体内の単一気泡振動を利用した物性評価法を考案した.この物性評価法は粘弾性サンプル内に発生するレーザーや衝撃波照射による誘起キャビテーション気泡や微小気泡の気泡振動を高速撮影して気泡径の時系列データを実験的に取得後,粘弾性を考慮した気泡運動方程式の数値解を合わせ込むことで,粘弾性サンプルの動的物性の逆推定を行う手法である.現在10^3 ~10^5 /s程度のひずみ速度領域における粘弾性特性の取得に成功している. 今年度は上記粘弾性物性推定法における数値予測の改善を目的とする.この手法は高ひずみ速度領域における粘弾性物性測定法として非常に有望であると考えられるが,数値解析で使用する物理モデルの違いが物性推定結果に与える効果についてはこれまで考察してこなかった.より高度な数値予測を実施するためには,数値解析で使用する各種物理モデルにおいて,圧縮性,熱輸送及び粘弾性構成則の影響に注目して比較検討を実施した.また,圧縮性や熱輸送の影響が強く現れる気泡振動の非線形領域(気泡の最小領域)の実験データ取得方法について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は高圧放電装置の取得に重点を置いた。価格、性能及び納期の面から制作可能な業者の選定を実施したが従来からの世界的な半導体や資材不足等の物資不足により困難を極めた.製作可能な業者を選定することができたが納期に時間を要している。そのため逆問題解析を実施する上で高度な最適化の自動化を実現するためには最適な粘弾性モデルの選別が望まれるので,今までに取得した中で非線形気泡振動を有する最大ひずみ速度10^5/sオーダーのデータを基に数値計算で使用する物理モデルについて圧縮性,熱輸送及び粘弾性構成則の影響に注目した。その際,気泡振動の過程でもっとも解析が困難である谷の領域(気泡が最小になる領域)に注目すると、数値予測の改善のためには、圧縮性、熱輸送および粘弾性の応力緩和等が複雑に絡まり合うためにこれらを考慮した構成則の検討が必要であることがわかった.さらに,高精度の予測のためには解析困難な気泡振動領域の精緻な実験データの取得が必要である。この領域の振動プロファイルの取得には空間的、時間的に高分解能な高速度カメラと可視化技術が必須となるが、その課題についてはすでに克服しつつある状態である。 計画は前後したものの、今後の展開に必要な技術について深い検討ができたことから現時点で順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではレオメーターでは取得できない広範囲のひずみ速度領域における粘弾性特性の取得と圧力波による刺激(衝撃波と膨張波)に対する粘弾性特性の効果について検討することが目的であり,そのために気泡振動を利用していることが本研究の特徴である. これらの目的を達成するため高圧放電装置を整備して気泡振動の形態が線形から非線形へと変化する広範囲なひずみ速度領域での研究を実施する.実験的には高度な可視化技術とそれに対応できる高速度撮影設備を準備して特に非線形気泡振動の高速に変形する領域の高精度な実験データの取得を目指し,数値計算的には実験データを基に逆問題解析を実施する上で最適な粘弾性モデルの考案と高度な最適化等が望まれる.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)