危険な2周期心拍の抑止のための動物および数理モデルを用いたイオン電流因子の分析
Project/Area Number |
21K12668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢澤 徹 東京都立大学, 理学研究科, 客員研究員 (30106603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 心拍解析 |
Outline of Research at the Start |
2周期の脈は危険な脈で死の予兆の脈とさえ言われる。その発生機序は今もって心臓をめぐるミステリーである。正常脈が危険脈に突然変わる際のイオン機序を数理的に解明するため、まず動物モデルを使い2周期の発生・消滅について正常時から終末期まで連続観察し、これを再現できる数理Luo-Rudyモデル方程式のイオン電流パラメ―タを変化させ2周期を忠実に再現する。どのイオン電流の変化が2周期の発生に係るかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)無脊椎動物甲殻類Homarus americanusなどをモデルとして用い、摘出心臓標本を作製し、特殊な手法(1956_science_Woodbury Brady_吊り下げ電極法)」により、心筋細胞内電位波形および同時に心筋収縮力の機械記録波形、の同時記録に挑戦し、科学的に信頼できる結果を得られることを確信した。従来の報告にある波形の中には、疑問点を生じさせ得ることがある報告が存在することを確信できる結果となった。(2)心筋細胞活動電位記録の公開されたデータにおいて、心筋活動電位波形の形状に関して研究した。「スパイクのあとでプラトーのまえに、過分極方向へ向かう谷波形(ノッチNotch)の存在」が一部で出版されているのであるが、これらは特殊な状況を除いて「健康で正常という条件の生体」では起こらないのではないかと考えるのが妥当ではないかと、考えられるような、その根拠を与えるような科学的に信頼できる記録が得られたと考えている。(3)研究協力者の支援をうけて実施した、数理モデル実験で、細胞外カリウム濃度Koを増加させると、ノッチが消失する範囲があることが分岐解析から分かったので、モデルでも再現出来うるということである。その範囲、イオン濃度がとり得る濃度の領域、の生理学的意味を追求する必要があることが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若い研究者に協力してもらったところ、難しいらしく、誰一人成功しないので、大変再現性が悪い高等技術だということが分かるとあえて表現すべき「動きに巧妙に追随するガラス電極法(1956_science_Woodbury Brady_吊り下げ電極法)」を使用した。著者は原理を理解し工夫し習得した。 この手法による心筋細胞活動電位記録と、同時記録する筋収縮力の機械記録に成功し、そのデータから、明らかに、活動電位のピーク時において、心筋細胞収縮が急に開始する、と言える結果を得た。 筋肉収縮は急激に発生する強い動きであり、記録方法が原因で、強い動き開始によるアーチファクトを生体電位と見誤りやすい懸念が生じる事を否めないことが判明した。「非生体電位」記録が「生体電位」として解釈され、特別な電流(Ito電流のような)として命名され、一般化されている、という可能性が否定しきれない、という結論に達した。その科学的根拠は、当該実験では、Woodburyの手法では「過分極方向へ向かう谷波形(ノッチNotch)」一度も記録できないからである。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では「過分極方向へ向かう谷波形(ノッチNotch)の存在」は自然現象ではないのではないかという疑問に解答する場合、特殊な状況を除いて、活動電位立ち上がり時刻を0msとすると、10msから50ms程度に発生する電位といわれるノッチは非生体現象ではないのではないだろうかと回答することになると考えている。1950年代の心筋からの微小電極細胞内誘導法による活動電位波形の記載が始まったころ、この初期において、ノイズをどう処理しどう対策しどう評価しているか、論文を発表する背後にある注意深さに関して、特に表に現れにくい点を見抜くような、経験に基づいて科学的な論理で説明できる視点で、文献学的な検討が重要になる。ガラス管微小電極によった細胞内記録の時代と比較すると、パッチクランプ法発明(ノーベル賞)以来、ガラス電極法に置き換わったことが原因で、この問題を大きくしたという疑念がある。科学的視点で疑念を持ち、これを検討することになる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)