Project/Area Number |
21K12718
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藤岡 稔大 福岡大学, 薬学部, 教授 (80165357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 陵子 福岡大学, 薬学部, 助教 (10580194)
|
Project Period (FY) |
2021 – 2022
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 大うつ病性障害 / 診断 / HPLC分析 / 生体内代謝物 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大うつ病性障害(MDD)をモデル疾患とし、生体内代謝物の変動を基盤とするMDD診断指標を作成する。まずは既に申請者らが行ってきたアミノ酸メタボロミクス的解析を利用し、医療機関より入手するMDD患者試料について、生体内アミノ酸や神経伝達物質を測定ターゲットとして網羅的に測定する。得られたデータに対する統計解析により、統計的な指標の構築を目指す。また一方で、既存のバイオマーカーを簡便かつ迅速、高精度に測定できる分析法を確立し、臨床試料の分析へと応用する。様々な観点からのアプローチを試みることで、短期間で効率的にMDD診断法の開発へと貢献できると考えられる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大うつ病性障害(Major Depressive Disorder, MDD)の診断には、患者に対するアンケートや問診など患者自身や医師の主観に依存した根拠ではなく、客観的に判断できる指標の確立が求められている。生体内代謝物をバイオマーカーとして利用する場合、臨床現場へ導入しやすい機器で簡単に測定できる測定法と標準プロトコルの構築が重要である。先に申請者らは、がん細胞培養培地中に含まれる約20種アミノ酸のトータルバランスの変動に基づく総合的指標を作成し、細胞の状態を評価する手法「アミノ酸メタボロミクス」を開発した。これを踏まえ、本研究ではアミノ酸を含む生体内代謝物のトータルバランスの変動解析をもとに新しいMDD診断技術の整備を目的としている。 初年度(R3年度)は、MDD患者の血中遊離アミノ酸についてLC-蛍光分析を行い、得られたアミノ酸情報について統計解析ソフトウェアにて解析した。その結果、MDD患者と健常者の血中アミノ酸バランスは異なっていることが確認された。検出された25種アミノ酸のうち、いくつかのアミノ酸情報を用いて線形判別分析による予測モデル式の作成を試みたところ、両群を判別できる予測モデルが得られた。現在までに入手できた臨床検体数は健常者16名、MDD患者18名、双極性障害患者5名と全体数が少なく、採血時間・食事・服薬状況が定量値に及した影響や、交差検証によるモデルの過学習などについては十分な評価ができていないものの、血中アミノ酸バランスに基づくMDD診断は可能であることを示唆する結果が得られている。一方、R3~R4年度にかけては、有力な診断バイオマーカー候補である血中エタノールアミンリン酸(PEA)のプレカラム蛍光誘導体化-LC分析法の開発にも成功しており、MDD患者および健常者の血漿試料分析に適用できることを明らかにした。現在は、より簡便な操作で迅速かつ正確な測定法とするため更なる検討を行いつつ、血中に含まれる脂質やアミノ酸濃度との相関などについても検討し、診断バイオマーカーとしての有用性を検証していく予定である。
|