Project/Area Number |
21K12834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
板東 洋介 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90761205)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 日本思想 / 世界哲学 / 比較思想 / 武士道 / 日本倫理思想 / 国学 / 儒教 / 日本近代哲学 / 神道 / 日本近世思想 / 他者 / 仏教 / 近代日本思想 / 信 |
Outline of Research at the Start |
(1) 江戸期の「古学」的な仏教・儒教の教学研究と、近代アカデミアでの儒仏の「哲学」的再編成を批判した明治期の僧侶らの議論とを手がかりに、仏・聖人といった”他者”への「信」から出発する思考として、前近代日本思想の意義と特質を改めて捉え直す。 (2) (1)を踏まえて、その思想的内実を、個人の理性的思考に基づくモノローグという近代哲学に一般的なスタイルとは異なる、与えられた”他者の言語” を前に考え・実践するという「哲学」のオルタナティヴとして再構成する。 (3) (1)(2)を踏まえて、特にキリスト教との比較思想史的な対比を試みつつ、得られた成果の国際的な「日本哲学」研究界への積極的な発信を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の本研究の中心となったのは、英語圏の日本思想研究を牽引している代表的な研究者であるB.デービス氏を迎えて、従来の日本思想研究をどのように昨今提唱されている「世界哲学」へと接続してゆくかを議論したシンポジウム(比較思想学会 50周年記念シンポジウム第三部「日本哲学から見た比較思想と世界哲学―ブレット・デービス氏を迎えて」2023年7月2日)への登壇であった。そこでは本研究のこれまでの成果を活用し、日本近世の儒教や国学といった思想が、どのように哲学の「日本性」を形作っているかを発表し、国内外の代表的な日本思想・哲学研究者と有為な意見交換をすることができた。なお、本シンポでの発表内容の概要が『比較思想研究』誌に掲載されたほか、当日の質疑を踏まえて大幅に増補・改稿された論文が本シンポの論集として出版される予定である。 また本研究の重要な一部をなす近世思想史研究についても、近年哲学・倫理学的な関心をあつめている「幸福」論に対して、古今東西の思想家がどのように寄与しうるか、それぞれの専門家が寄稿した論集に、武士道における幸福の捉え方を、とくに代表的な武士道書『葉隠』に即して論じ、掲載された。さらに本論文で論じた武士の死生観を踏まえて、精神医学・社会学・現代倫理学などの研究者が集まって現代社会における自殺・自死の問題を論じるシンポで報告することを要請され、登壇した。このことは、本研究が単なる過去の思想史研究にとどまらないアクチュアリティをもち、またそのように評価されつつあることを示していると自己評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際的なシンポジウムへの登壇や論集への寄稿など、じゅうぶんに研究成果の発表を行うことができたと認められるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるが、国際学会での発表、英語論集の刊行など、研究成果の国際発信につとめたい。
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