Project/Area Number |
21K12874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo (2023) Kobe University (2022) Toyo University (2021) |
Principal Investigator |
八幡 さくら 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任助教 (80773556)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | シェリング / 芸術哲学 / ドイツ観念論 / 造形芸術アカデミー / ルンゲ / カールス / 風景画 / 気分 / 造形芸術 / 神話 / 同時代性 / バイエルン / 芸術アカデミー |
Outline of Research at the Start |
シェリングは芸術哲学において芸術家の創造性を解明し、芸術美についての哲学的議論に即して具体的な作品分析を行う。シェリングは1807年の講演『造形芸術の自然に対する関係について』以降、翌年新設されたバイエルン造形芸術アカデミーの書記局長として規約作成・作品批評等を積極的に行っている。これらのシェリングの活動は芸術哲学理論の実践であると同時に、同時代の芸術と芸術教育に深く関わっている。申請者は従来の研究では看過されてきたシェリングの芸術実践活動に注目して資料調査と文献学的研究を進め、哲学・美学・美術史にまたがる学域横断的な研究方法によって、シェリング芸術哲学と同時代の芸術と相互影響関係を論証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は順調に進んでいる。今年度はシェリングの芸術実践と同時代の芸術に関する資料・文献調査を継続して行い、その研究成果を国内外の学会・研究会において発表し、その成果をもとに学術論文を執筆した。以下にその中でも重要なものについて記す。 2023年5月にはブラジル・ベロオリゾンテで開催された国際美学会において、国際芸術祭を事例としてその根幹にある自然ならびに大地と芸術の関係について検証する発表を行なった。同年10月にはカナダ・モントリオールで開催されたドイツ研究学会において、シェリングのダンテ論について研究発表を行い、シェリングの芸術観の時代性について参加者と議論した。同年12月に東京大学で開催された国際シェリング会議では、会議の開催委員として運営に携わり、自身の研究報告では、美的概念としての気分概念に着目して、シェリングの芸術哲学と、同時代のドイツ・ロマン主義の風景画論としてP・O・ルンゲとC・G・カールスの議論とを比較検討した。 これまでの学術成果についてまとめた論文として、シェリングの一次文献の編纂状況と近年の研究成果をまとめ、シェリング芸術哲学の展開を追った論文を投稿した。さらにシェリングの講義『芸術哲学』にみられるオリエンタル観についての英語論文は現在印刷中である。さらに、シェリングの造形芸術に関するアカデミー講演とバイエルン王立造形芸術アカデミーでの活動との関係を分析した論文は、国際シェリング協会編纂の特別論文集に投稿中である。 文献調査とその資料の分析・精読を通して、シェリングの芸術観と同時代の思想家・芸術家との関係を次第に明らかにすることができた。そして、様々な国際会議や研究活動を通して国際的な研究者間のネットワークをさらに広げるだけでなく、よりその繋がりを強めることができ、今後の研究の展開が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的な新型コロナウイルスの大流行の影響で延期されていた国際会議2件が今年度対面で開催されたことにより、研究成果を英語またはドイツ語で発表し、広く研究成果を公表することができた。これらの会議を通して国内外の研究者とシェリング哲学ならびにドイツ・ロマン主義に関して意見交換を行うことができ、今後の研究の進展につながる文献情報や最新の研究動向を知ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに調査・収集した資料の分析を行うとともに、新たな資料調査を進める予定である。1807年以降のミュンヘン時代のシェリングの著作や活動に関する一次文献の編纂作業がドイツ国内で行われているため、それらに関して編纂者に情報提供を依頼するほか、シェリング歴史批判版著作集のミュンヘン時代に関わる巻の精読を行う。 2023年の国際シェリング会議の報告集(ドイツ語・英語)に自身の論文を投稿するだけでなく、編者として編集に参加し、シェリング哲学の最新研究成果を広く公開する予定である。 2025年6月にバイエルン学術アカデミーで開催されるシェリング生誕250周年記念国際会議に講演者として招待されており、シェリング芸術哲学と彼の芸術実践について研究発表を行う予定である。 これらの国際会議での研究発表・論文投稿を通して、国内外の研究者と意見交換を重ね、研究内容をより深化させていくとともに、今後の研究者ネットワークの強化に努めていく。
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