Ethnic Identity Development and Keyboard Instruments in Serbia
Project/Area Number |
21K12876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | National Institutes for the Humanities (2022) National Museum of Ethnology (2021) |
Principal Investigator |
上畑 史 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 人間文化研究創発センター, 研究員 (60827864)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | セルビア音楽 / 旧ユーゴスラヴィア音楽 / アコーディオン / シンセサイザー / 民族的アイデンティティ / セルビア / 旧ユーゴスラヴィア |
Outline of Research at the Start |
バルカンの一国セルビアでは、アコーディオンと、その代替的な楽器としてのシンセサイザーが、同国の「民俗調音楽」に欠かせない楽器となっており、地域的な音楽・文化にセルビアらしさを付与する一要素となってきた。本研究では、両楽器および関連する音楽・文化の文化史的考察を行い、セルビア外から流入した両楽器が、セルビア音楽やその文化的環境の展開に加え、民族的アイデンティティの編成にも与えた影響を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バルカン半島・東欧に位置するセルビアで、同国の民俗音楽と結びついた「民俗調音楽」に欠かせない2つの鍵盤楽器アコーディオンとシンセサイザーおよび、両楽器と関連した音楽・文化を対象に、文化史的考察を行うものである。 本研究では、1社会主義期のアコーディオン、2ポスト社会主義期のシンセサイザー、3両楽器の連続性という3点から、外来楽器である両楽器の需要実態を明らかにし、これらを統合することによって、文化史における「民族性」の 形成・変容の過程を解明することを目的としている。 本研究課題の2年目となった今年度は、セルビアでの資料収集およびフィールドワークを予定していたが、新型ウィルス流行の余波と自身の所属先変更に起因する研究環境の急変により、断念せざるを得なかった。このため文献中心の調査に切り替え、本研究を進めることとした。具体的には、すでに収集済みのアコーディオンに関する文献資料と、セルビア・旧ユーゴスライヴィア・バルカン半島における社会主義期の音楽や文化に関する文献資料を中心に精読を行った。また、同じくすでに現地で調達・収集済みの、シンセサイザーの分析を行った。 これらの精読および分析を進めたことにより、両楽器と関連する音楽・文化の歴史研究、ポスト社会主義期の音楽実態の研究に関して進展があった。また、前述の2、3と関連した成果として、ポスト社会主義期の音楽・文化を対象とした雑誌論文(2022年8月)と図書に載録される論文(2023年4月)を完成させた。以上によって、本研究課題を進展させるよう努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題の2年目となった今年度は現地調査を計画していたが、年度前半は新型ウィルスが完全に収束したとはいえない不安定な状況が続き、海外渡航に踏み切れなかった。また、年度中盤から後半にかけては自身の所属先変更に起因する研究環境の急変が重なり、同様に現地調査を断念せざるを得なかった。 本研究の調査方法としては、一次資料の収集・分析に加え、参与観察や生活史調査が肝要である。特に協力者を要する調査に関しては、調査協力者との信頼関係を前提として成り立つ上、ときに現地のコネクションを活用した直接的な依頼・紹介が必須となる。一連のこうした調査活動において現地に赴けないことが支障となった。こうした状況から、今年度は主に文献中心の調査活動を行なって若干の成果があったものの、本課題の調査研究は上記の理由から遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で新型ウィルスの流行は、世界的にほぼ収束状態にある。それゆえ23年度からの渡航は確実に可能となる。これまでは文献調査に重点を置くことができたため、むしろ次年度は、セルビアでの資料収集やフィールドワークに一層注力することができると考えている。この状況を活かして現地での調査活動の効率化を高め、これまで断念せざるを得なかった調査活動を補完することで、本研究課題の遅れを取り戻し、研究目的を遂行したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)