Project/Area Number |
21K12879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
岡坂 桜子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (60843985)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | タピスリー / ギュスターヴ・ジェフロワ / ゴブラン / 美術史 / 美術行政 / 美術批評 / 装飾 |
Outline of Research at the Start |
17世紀後半に創設されたフランス国営のタピスリー工房である国立ゴブラン製作所では、20世紀はじめの約四半世紀の期間に所長ギュスターヴ・ジェフロワ主導の下、近代化への刷新が試みられた。その内容の具体的な調査はこれまで一部に限られ、またその功績を20世紀の近現代タピスリー史の中で俯瞰し歴史的に位置付ける作業は未だ行われていない。本研究では、とりわけ第一次世界大戦前後の時期に着目し、私営工房での制作状況やタピスリー復興の潮流等との比較を通じて、ゴブランの活動の性格と歴史的意義を同時代的文脈の中で探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フランスの国立ゴブラン製作所に関して、20世紀初頭に所長を務めたギュスターヴ・ジェフロワ主導による、タピスリー近代化への刷新運動の歴史的評価を検証することを主眼としている。本調査を進めるための具体的な手続きとして、二つの観点を設けている。すなわち第一に、ジェフロワ時代の製作所の運営方針やその間製作された作品群の歴史的評価を、主に一次史料の掘り起こしや実作品の考察に基づいて、ジェフロワ以前・以後の製作所の歴史の中で相対的に捉えること、第二に、フランスの公的芸術の生成を担う国家機関として役割にその活動が規定・制限される製作所の活動を、同時代の私営工房の活動や個人メセナの支援によるタピスリー制作活動と比較検討することである。 5カ年計画の2年目にあたる本年度は、前年度に引き続き、研究の基盤となる資料収集とその整理・分析に注力した。収集にあたっては、予定していたフランス本国での現地調査がコロナ感染拡大による海外渡航の制限により実施不可となったため、日本から入手できる二次文献やネット上で公開されている各研究機関のデータベースを活用した情報の収集が主となった。これらの二次文献は、上記、調査手続きの第二点目に関するもので、この整理・分析により、20世紀の欧米のタピスリーや壁画を主とする大規模装飾の歴史とその研究動向を把握することができた。 本年度は、上記の作業を論文等の具体的な成果物としてまとめることができなかった為、次年度の課題としたい。ただし、当該研究テーマに関連する派生的なトピックについて、以下のエッセイとしてまとめる機会を得た(「アンリ・マルタンの壁画装飾:その全容と歴史的意義に関する一考察」『SOMPO美術館 研究紀要』第1号、2023年、pp. 31-51.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フランスの国立ゴブラン製作所について、20世紀初頭の活動の歴史的評価に関する本研究は、やや遅れている。本研究は、フランス本国での現地調査(公文書の収集、作品の実見調査)に負うところが大きく、コロナ感染拡大による調査が遂行できなかったのが、調査の遅れの大きな原因である。しかしながら他方で、現地調査が実施できない代わりに、日本国内から入手可能な二次文献および関連情報の収集に注力し、本研究が射程とするトピックに関する先行研究の研究状況を把握、新たな知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、当初の研究方法や計画から大きな変更はなく、3年目も計画通りに進める。ただし、1、2年目に実施不可となった海外調査については、3年目以降に延期し、可能な限り早い段階で実施したいと考えている。また、海外調査以外の調査に関しては当初の計画通りに、あるいは海外調査実施不可を見越して計画を前倒し、3年目中に実施予定の学会発表において成果を公開できるよう調査を進める。
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