• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

19世紀末から20世紀前半のベルギーにおける文学・美術の動向と社会主義との関連

Research Project

Project/Area Number 21K12965
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 02040:European literature-related
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

吹田 映子  自治医科大学, 医学部, 講師 (10738925)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Keywordsフランス・マゼレール / ピエール・ポーリュス / フランス・マズレール / Georges Eekhoud / ジョルジュ・エークハウト / 社会主義 / 美術批評 / ベルギー / 小説 / 絵画 / 社会主義と芸術 / シュルレアリスム / 抽象主義 / リアリズム
Outline of Research at the Start

19世紀末から20世紀前半にかけてベルギーに興った文学・美術の諸傾向は近隣大国の動向に付随するものとして論じられてきた。また、国内の文脈においては傾向ごとに個別の事象として論じられてきたため、相互の関連や歴史的な繋がりが不明である。こうしたなか本研究は、この時代のベルギーにおける労働運動の隆盛と文学・美術領域での社会主義的傾向の連動に着目する。主に写実主義(リアリズム)、抽象主義、シュルレアリスムを対象に、それらを標榜した諸グループの形成過程を社会主義との関連から考察することで、各運動体に共通の社会史的文脈を明らかにし、世紀転換期前後のベルギーにおける文学・美術の動向のダイナミズムを提示する。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は主に、前年度に引き続き版画家フランス・マゼレールの作品および活動に焦点を当て調査を行った。11月には、それまでの文献調査によって得られた知見をまとめ、エッセイの形で発表した。そこで明らかにしたのは、マゼレールの生涯が二度の世界大戦によって強く条件づけられていたこと、また、彼の作品および活動が依拠するところの社会主義的立場は継父からの薫陶に由来するとともに、スイスへの移住を機に知り合ったロマン・ロランやシュテファン・ツヴァイクらとの交流を通じて強固になったということである。1月には、本研究に着手して以来初めてベルギーに渡航し、ブリュッセルを始めとする各地で調査を行った。北部フラーンデレンの諸都市では、この地域出身のマゼレールについて、彼の作風に影響を与えた子弟関係にも注目しながら調査を行った。他方、南部ワロニーの諸都市では、対象となる作家を事前に特定せず、この地域出身の芸術家たちが生み出した作品を調査した。結果として、日本でもすでに名を知られている画家・彫刻家のコンスタンタン・ムーニエのみならず、画家のピエール・ポーリュスらもまた、19世紀末の当地域を特徴づける炭鉱労働を多く主題に選んで制作していたことがわかった。また、彼らに共通する社会主義的な視点は、フランスの画家ギュスターヴ・クールベの視点に連なるものであり、クールベによるレアリスムの作品が19世紀半ばにベルギーに紹介されて生じた大きな反響の一部として理解できることがわかった。帰国後(1月)、マゼレールについてのそれまでの調査結果を総合し、「版画家フランス・マゼレールをとおして見るベルギー ―漫画、多言語、越境性―」と題して口頭発表を行った。3月には再びベルギーに渡航してブリュッセルで追加の調査を行うとともに、「フランス・マゼレールの作品と生涯」と題して口頭発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限により、本研究において当初予定していた現地調査を三年近く実現することができなかった。本年度(2023年度)にようやく実施することができたが、本来であれば一年目(2021年度)に実施すべき調査であるため、ようやく本研究の見通しが立ち、少しずつ成果を出せるようになってきた状況であるため。

Strategy for Future Research Activity

今後は、主に東アジアでのマゼレールの作品受容の状況を歴史的に考察することを通して、本研究の射程の広さを示したい。そこで鍵となるのは中国の作家魯迅だが、彼および彼の周辺の手によって刊行されたマゼレールの版画集について、また、それらをめぐる周辺状況について調査する。これについては、中国語および中国文学に詳しい研究者に、翻訳作業等で協力を依頼する予定である。同時に、これまでの調査で明らかになったマゼレールの全体像を踏まえ、彼の版画集を日本で初めて出版することを、成果発表の目標の一つとする。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] フランス・マゼレールを忘れてはならない2023

    • Author(s)
      吹田映子
    • Journal Title

      ベルギー研究会 会報

      Volume: 8 Pages: 27-30

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Open Access
  • [Presentation] フランス・マゼレールの作品と生涯2024

    • Author(s)
      吹田映子
    • Organizer
      第97回ベルギー研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 版画家フランス・マゼレールをとおして見るベルギー ―漫画、多言語、越境性―2024

    • Author(s)
      吹田映子
    • Organizer
      國學院大學文学部 学部共同研究費「ヨーロッパの多言語文化における言語・文化」研究発表会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] Georges Eekhoud et la peinture : embryon de critique d'art dans La Nouvelle Carthage2021

    • Author(s)
      吹田映子
    • Organizer
      日本フランス語フランス文学会
    • Related Report
      2021 Research-status Report
  • [Remarks] ベルギー研究会 会報

    • URL

      https://w.atwiki.jp/kbek/pages/28.html

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi