Project/Area Number |
21K12985
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Keio University (2022-2023) Kyushu Institute of Technology (2021) |
Principal Investigator |
平山 仁美 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師 (40848602)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 談話効果 / 助詞 / 否定疑問文 / 数詞 / 談話 / 重複 / 日本手話 / 手話 / 形式意味論 / 語用論 / 不変化詞 / 文型 |
Outline of Research at the Start |
人間の使用する自然言語には、発話が行われている文脈の情報が付加されることがあり談話効果と呼ばれることがある。日本語においては、一部の不変化詞の使用が話者の持つバイアスの有無や、そのバイアスを支えている証拠の種類を示すことが知られている。本研究では、日本語をはじめとする自然言語の談話効果を様々な種類のデータを用いて考察・分析し、自然言語の持つ談話効果の共通点や相違点を明らかにした上で、通言語的な談話効果の類型論の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は最終年度に向けて各種学会での発表を考えていたが、予定通りに理論的分析を完了させ学会への投稿をすることが出来ない学会もあった。しかしながら、談話効果という語用論的現象と、意味論統語論のはざまにある現象についての考察や分析を多少なりとも進めることができた。 まず、寄生空所の位置に発生する空代名詞の解釈について、かつて行った意味論的アプローチでは解決できなかった問題について、国際共著論文においてひとまずの解決を行うことができた。空代名詞の解釈については、プロセシングの問題からMinimalist Grammarという枠組みを用いた統語論のアプローチでも盛んに議論されている点である。談話の影響を受ける空代名詞の解釈と、こうした統語環境との相互作用がどう行われているか、今後も研究を続けていく予定である。 また、否定疑問文についての分析についてもデータの精査と分析を進めることができた。日本語では助詞や語順を変えることで疑問文の容認度が変わることがある。一方、特に程度を含む否定疑問文が認可されるかどうかについては言語学の各分野で今まで様々な議論がなされてきた。日本語でも本来容認されない否定疑問文が特定の状況で容認されることが現在までにも報告されているが、談話効果という点からこの現象を説明できるような分析を行っている。さらに、この否定疑問文の現象については数詞の統語・意味も大きく関わっている。この事象についても、先行研究で行われている分析や議論と、談話効果を組み合わせることによって英語や他の諸言語との日本語の差異について説明することを目指し分析を進めることが出来た。 最後に、11月にはオランダのアムステルダム大学において手話の談話効果の実験研究をしている研究者とも情報共有ができた。この会合では、日本手話と他の手話との対照研究の可能性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
勤務校の公務があり、研究に十分な時間を割くことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験研究やコーパスでのデータ調査などが予定通り進められていないため、データ収集も進めつつ、すでに経験的データが確保できているものについては形式的な分析を進めたうえで雑誌論文への投稿を目指していく。
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