Project/Area Number |
21K13040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
アドゥアヨム・アヘゴ 希佳子 (田所希佳子) 宝塚大学, 東京メディア芸術学部, 講師 (70646827)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ケースメソッド / ケース教材 / 丁寧さ / 日本語教育 / 待遇コミュニケーション / スピーチスタイル / 待遇表現 / ディスカッション / ケース学習 / スピーチレベル / インタビュー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本語学習者のスピーチレベル観育成のためのケース教材の作成を目的とした研究である。スピーチレベル観とは、スピーチレベル(普通体や丁寧体などの文末形式)の選択に伴う場面認識や、スピーチレベルに対する捉え方や感情・印象といった意識を指す。スピーチレベルに関して違和感を持った経験をインタビューによって聞き出し、会話者双方の場面認識の食い違いやその際に生じた感情・印象やその理由などを記述し、ケース教材を作成する。その教材を学習者が読み、他者と意見交換し、多様なスピーチレベル観を知ることにより、自分のスピーチレベル観を問い直し、より多面的なスピーチレベル観を育成することができると期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に作成したスピーチレベルに関するケース教材「私はお客さんです!」を用いて留学生を対象に行ったケースメソッド授業について、待遇コミュニケーション教育実践を通した社会貢献という観点から分析を行った。その結果、本教材を用いた教育実践により、学習者は自己の【前提】を問い直すと同時に、一人ひとりの【前提】が異なるという現実を知り、他者を尊重する寛容性や、摩擦を乗り越えるための解決策を自分なりに考える力を育むことができると明らかになり、よりよい社会の形成につながる可能性が示唆された。 また、2022年度から進めていたケース教材のマンガ化に関しては、作業を完了し、「私はお客さんです!マンガ版」を日本ケースセンターに登録した。また、マンガ版を英語に翻訳した「"I'm a customer!(English Manga version of 私はお客さんです!)"も日本ケースセンターに登録した。 さらに、日本語教育版ケースメソッドに関する共同研究を進め、日本語教育版ケースメソッドにおけるケース教材のあり方や、より深いディスカッションへと導くディスカッションリードの方法・授業設計のあり方などについて考察し、発表及び論文執筆を行った。 また、スピーチレベル教育の理論的基盤となる待遇コミュニケーションに関しては、共同研究者3名とともに「丁寧さ」とは何かについて考察を深め、論文化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度より継続して、日本語教育版ケースメソッドを開発するというプロジェクトを進め、単にケース教材を作成するだけではなく、ケース教材の作成の仕方や使い方などを日本語教育研究者に伝えるための研究も進めることができた。その一方で、スピーチレベル教育の先行研究を概観し、本研究をスピーチレベル教育の歴史の中に位置づけることにより、本研究の意義を総括するという課題は残されたままであったため、2024年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であるため、スピーチレベル教育の先行研究を概観し、本研究をスピーチレベル教育の歴史の中に位置づけることにより、本研究の意義を総括したい。 また、日本語教育版ケースメソッドを開発するというプロジェクトをより具体的に進め、ケース教材のあり方について考察をより深めていきたい。
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