Japanese as a Heritage Language Education in Small Groups of Overseas Japanese Communities
Project/Area Number |
21K13041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
谷口 ジョイ 静岡理工科大学, 情報学部, 准教授 (80739201)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 継承語 / 日系コミュニティ / 海外子女 / バイリンガリズム / テーマ分析法 / 日本語教育 / バイリテラシー / 質的研究 / 研究方法論 / 継承語教育 / 継承語としての日本語 |
Outline of Research at the Start |
子どもたちが継承語を学ぶ場としては, 家庭や教育機関のほか, 保護者が自主的に運営する小規模なコミュニティが挙げられるが, 公的資金が投入されない自助グループの実態については, 不明な点が多く残されている. このような状況を踏まえ, 本研究では, 海外に暮らす「日本につながる子どもたち」の継承日本語教育を目的とした保護者主体の自助グループで, どのような教育実践が行われているのかを調査し, 複雑な言語体系を有する子どもたちのスクリプト獲得や多言語使用について明らかにすることを目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は主に、複数地域の継承語学習コミュニティにおいて、オンラインによる面接調査および授業観察を行った。教育活動を担当する保護者から提供される教案、授業報告、調査者の質問やデータ解釈に対する協力者のフィードバックの収集も行い、計画通り、データ収集を完了した。また、アラブ首長国連邦ドバイのコミュニティで得られたデータを中心に分析を行っている。主題を特定した上で体系化し、知見を得るためのアプローチである「テーマ分析法」を用いて、(1) 教育活動の概要 (2) 保護者のコミュニティへの関わり方 (3) コミュニティの弱体化を引き起こす要因の3項目に基づき、帰納的コーディングを用いて評価を行った。 調査の結果、ドバイの継承語学習コミュニティに関わる保護者は、言語能力のみならず、日本の学校教育の中で身につけるスクリプトの習得を子どもに期待していることが示唆された。また、教育活動を主導する保護者は「日本人らしさ」を象徴する特定のスクリプト(ある特定の場所や時間にふさわしい行為や言語表現の系列)の提示を重視していた。具体的には、教員と児童間の定型的なやりとりや行事における一連の行為の教示が活動を方向づける重要な要素となっていた。また、国語の教科書を用いた内容理解、音読・復唱・暗唱、漢字の学習に重点が置かれ、保護者がかつて受けた国語教育を、コミュニティの活動においても如実に再現しようと試みていた。 研究の成果は、学会および国際シンポジウムにおいて発表し、論文として出版されることも決定している。今後は、定住者によって運営される他地域(メルボルン、ソウル)のコミュニティにおいて収集したデータの分析を進め、論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で、2022年度も現地調査を行うことはできなかったが、インターネットのカメラ会議システムにより、保護者を対象としたフォーカスグループ・インタビュー、および授業観察を実施した。複数言語を日常的に使用する子どもたちが参加する継承語学習コミュニティにおいて、どのような教育活動が行われているのか、また、コミュニティを運営する保護者がどのような継承語教育を希求するのかを検討するにあたって、十分なデータを収集することができた。研究計画立案当初より、新型コロナウィルスをめぐる社会情勢によって実地調査が難しい場合は、オンラインで調査を行う予定であったため、進捗に影響はなかった。そのため、研究課題の進捗状況としては、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の前半は、韓国ソウル、およびオーストラリア・メルボルンで収集したデータの分析を進捗させる。また、当初の計画通り、2年間に及ぶ調査結果を学会、研究会等で発表し, 論文の執筆・投稿を行う。また、継承語教育に携わる研究者および教育実践者らと意見交換を行うための勉強会を継続する。また、6月および9月に開催が予定されている国際学会において、研究成果を発表することが決定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)