判決類型論および「手続的入念さの要請」が立法裁量統制にいかなる役割を果たし得るか
Project/Area Number |
21K13187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 真敬 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70734747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 判決類型 / 違憲確認 / 立法権と司法権の「対話」 / 違憲の主観化 / 立法者の努力 / 監視義務 / 事後是正義務 / 手続的な入念さ / 立法裁量 / 裁量統制 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,判決類型論および「手続的入念さの要請」が立法裁量統制にいかなる役割を果たし得るかを検討する。本研究はドイツの学説・判例を手掛かりに,①違憲無効以外に違憲確認・違憲警告の判決を下す判決類型論を内在的に検討し,その制度的条件や各類型の課題を検討する。また②予測,事実確定・評価,利益の衡量,法律の理由付け,法律の影響監視,法律の事後是正を適切に行う義務を立法者に課す立法者の「手続的入念さの要請」を検討する。そのうえで本研究は,判決類型の選択や「手続的入念さの要請」が,立法裁量の統制にいかなる意義や課題をもたらすかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に素地を作ることができた判決類型論についてさらに検討を深めつつ、「手続的な入念さの要請」について本格的な検討を行うための準備作業を行うことを目標としていた。 まず、日本選挙学会での報告の機会を頂き、近時の「1票の較差」訴訟の最高裁判決においてみられる判決類型論や違憲の主観化の動向について、詳細に検討を加えた(報告論文が公開されている)。次に、憲法判断を含む判決類型について、違憲判決については最高裁判所裁判事務処理規則14条で正本を国会に送付することになるが、それ以外の判決類型、特に違憲状態や、「現時点では」合憲といったような形で事後是正義務を付したと理解できる合憲判断の場合に、どのような事後処理が妥当であるかを検討した。この成果は、2023年度に公刊される予定である。さらに、判決類型が日本と同じく問題となってきたドイツの選挙権関係の動向を検討し、近時の選挙制度の動向について整理する機会を得た(Voters)。さらに、その後のドイツの連邦選挙法の改革動向についても検討したが、この成果については2023年度に公刊となる予定である。そして、ドイツ連邦憲法裁判所のバイエルン憲法擁護法違憲判決(2022年4月26日判決)を詳しく検討し、情報機関の情報収集活動の憲法上の要件や、取得情報の提供の要件、そして違憲無効と違憲確認を分ける考慮要素について検討を行ったが、その成果は2023年度に報告・公刊予定である。 その他、全国憲法研究会で職業の自由の規制の現代的問題について報告する機会を得た他、いくつかの依頼原稿において、実体的な権利について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、締め切り・公刊時期の関係で、年度内において公にはならなかったものもあるが、判決類型について複数の成果を残すことができた。これらの2022年度内に公刊できなかったものについては、2023年度には公刊される。「手続的な入念さの要請」についても、これらの判決類型論の検討と関連する形で、若干の分析を加えることができた。従って、遅れが無いわけではないが、おおむね順調に研究は進んでいるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、校務の関係で、どこまで本研究課題にエネルギーを投入することができるか心許ない点もあるが、2022年度内で公刊できなかったものが公刊されるほか、いくつかの依頼を頂いているので、それらについて可能な範囲で本研究課題と関連させることで、本研究課題を前進させたい。なお、新型コロナウイルス感染症のまん延の関係で、2022年度はドイツでの資料収集は出来なかった。2023年度は校務の関係で海外での資料収集は難しそうであるので、これまでに入手した文献を研究することに専念したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)