Project/Area Number |
21K13260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Kanazawa University (2022-2023) Kyoto University (2021) |
Principal Investigator |
高梨 誠之 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (70826312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 社会的選好 / 意思決定理論 / ゲーム理論 / リスク / 意思決定論 |
Outline of Research at the Start |
人々は、結果が不平等であるとき、なお、機会が平等であることを求めることが知られている。このような人々の選好の在り様は、どのように理論的に捉えられるだろうか。また、それは、ゲーム理論的な環境に、どのような影響を与えるだろうか。本研究ではその点に、意思決定論とゲーム理論の観点から、分析を加える。意思決定論的には、選好の背景となる公理を分析し、選好を特徴づける。ゲーム理論的には、そのような選好が単なる結果の平等を求める選好と比べて、どのように均衡を変化させるかを分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、社会的選好のリスク環境下への拡張方法を特徴づけた論文を、優れた国際学術雑誌に投稿し、再投稿を得た。既に、再投稿も終えており、現時点で返事を待っている。本論文は、社会的選好のリスク環境下への拡張について、既存の優れた研究を拡張したモデルを提案した論文である。そのモデルによって、これまで説明できなかった人々のリスク環境下での行動が説明可能となった。採択されればであるが、十分な実績となるだろう。 加えて、昨年度着想した流列の応用について、国内のセミナーで発表を行い、多くの意見を頂くことが出来た。結果として、単なる流列への応用とするのではなく、より一般化された環境で分析をする必要性を感じている。公理の特徴づけや応用の方向性にもよるが、結果次第では、一定の実績となると思う。 また、既に投稿した論文の後続研究として、異なる公理による特徴づけの下で、これまで説明が出来なかった実験結果をよりよく説明できないかについて、研究を行った。現状では、数学的な困難を感じているが、それを突破できれば、良い業績となると思われる。 加えて、結果ベースの社会的選好ではなく、他の要因にも依存する形の選好についても、考察を行った。近年では、結果ベースの社会的選好の説明できない人々の行動が数多く報告されており、このような行動を説明できる意思決定モデルの重要性が指摘されている。そのことを考慮に入れて、結果ベースの社会的選好でも説明できないような実験結果も統一的に説明可能なモデルの開発に着手しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、優れた国際学術雑誌に再投稿を得ており、この点について順調な進展と言えよう。しかし、まだ採択されておらず、ゲーム理論への応用や後続研究は、必ずしも順調な進展とは言えない点もあるため、おおむね順調な進展としている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展開について考えている方向性は、結果ベースの社会的選好ではない形で、より多くのゲーム実験の結果等を統一的に説明することである。結果ベースの社会的選好の研究自体は今後も一定の重要性があると考えているが、多くの論文でそれでは説明できない実験結果が提示されている。このことを鑑みた時に、このような実験結果を含めて、統一的な説明が可能なモデルを開発することが重要ではないかと考えている。そのようなモデルを開発し、公理的な特徴づけ、もしくは、既存の実験結果の説明が十分に可能であれば、良い研究となっていくのではないかと考えている。
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