J.R.コモンズの制度経済学における制度再編の実験的方法の位置づけと今日的意義
Project/Area Number |
21K13268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
北川 亘太 関西大学, 経済学部, 准教授 (20759922)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | J.R.コモンズ / レギュラシオン理論 / コンヴァンシオン理論 / ウィスコンシン産業委員会 / 実験的方式 / 公益事業規制 / プラグマティズム |
Outline of Research at the Start |
アメリカ制度経済学の創始者の一人J.R.コモンズ(1862-1945)は,不確実な状況下で諸集団はいかに「進む」べきかという規範的な論点で,制度再編の「実験的方式」を打ち出した。本研究は,(1)実験的方式において何がどのように実験的に修正されたのか,修正されるべきなのか,(2)適正な資本主義をいかに達成するかという彼の主題の中でこの実験的方式の役割・意義を位置づけなおし、再評価したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
パリで開催されたレギュラシオン学会において「レギュラシオンとJ.R.コモンズの適正価値」という論題で報告をする機会を得た。報告要旨は次の通りである。「レギュラシオン」とJ.R.コモンズの鍵概念である「ウィリングネス」や「適正価値」は似ているが、コモンズの鍵概念は倫理の集団的構成を含意しており、それはレギュラシオニストが十分に目を向けていない点である。レギュラシオン理論が倫理の集団的構成に注目するにはレギュラシオンにかかわる「時間」やレギュラシオニストの調査対象に対する立場を再考することが必要になるが、そのように修正された「集団的行動へのネオ・レギュラシオン・アプローチ」は、レギュラシオニストが調査対象の集団的ないし公共的な倫理に接近する手法であり、さらにいえば、レギュラシオンの再構成に自覚的に関わるための手法になりうる。以上のような流れで、本報告は、コモンズの読解を通じて、レギュラシオニストが自らの研究成果と研究対象の双方に倫理を導入するための一つのやり方や道程を示した。この報告後、レギュラシオン学派の主要な研究者たちと議論や情報交換をする機会を得た。 くわえて、昨年度(2021年度)にコンヴァンシオン学派の主要な研究者との議論から練り上げた、J.R.コモンズの観点からのコンヴァンシオン理論の批評を、コンヴァンシオン学派の最近の共同研究の成果(書籍)についての書評論文として査読付きの英文誌に掲載し、フランスのコンヴァンシオン学派やレギュラシオン学派の一部の研究者から好意的な反応を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度および今年度、フランスの制度学派の主要人物と交流する機会をもち、良質な情報を受け取ったり、J.R.コモンズとフランス制度学派との関連づけで論じるべき点を明確にしたりすることができた。それにより、査読付きの書評論文を完成させることができ、かつ、学会報告論文を完成させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の上述の仕事をより大きな研究業績にできるように努める。具体的には、J.R.コモンズとレギュラシオン理論とを関連づけた論文をレギュラシオン学派の主要な査読誌に投稿する。くわえて、2023年度は、ウィスコンシン産業委員会による行政を補助線として、コモンズの理論をより分かりやすく説明する原稿を作成する。具体的には、2022年度に構想段階のものとして進化経済学会制度と統治部会で報告したアイデアを、史料で裏づけながら、査読に耐えうる論文として完成させたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Book] 現代制度経済学講義2023
Author(s)
藤田真哉・北川亘太・宇仁宏幸
Total Pages
356
Publisher
ナカニシヤ出版
ISBN
9784779517082
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