Project/Area Number |
21K13286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
小松 悟朗 城西国際大学, 国際アドミニストレーション研究科, 准教授 (60878247)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | DSGE / 長期停滞 / 現金給付 / 金融政策 / ヒステリシス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、COVID-19のような長期停滞下での現金給付政策フレームワークを各国政府に提供する。申請者が開発した長期停滞産出DSGEモデルに、現金給付の包括的枠組みであるGaliを取り込み長期停滞現金給付モデルを開発し、(自然)失業率の高騰・高止まりに連動した現実的な給付の金額・期間・リスクを同定する。危急の災禍に限らない汎用な給付政策フレームワークの提供を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、標準政策ツールである動学的確率的一般均衡 (Dynamic Stochastic General Equilibrium: DSGE)モデルの枠組みを用いて、COVID-19ような長期停滞下における現金給付政策の分析を可能とする「長期停滞現金給付政策DSGEモデル」を開発することである。
本研究ではこれまで、申請者が開発した長期停滞産出モデルであるKomatsu (2020)と失業ヒステリシスを再現したGali (2021)モデルを参考に、長期停滞ヒステリシスモデルの検討と開発をおこなった。次に、この開発中のモデルに、国債発行と増税さらに中央銀行による財政ファイナンスを含む給付政策の包括的枠組みであるGali (2020)を構築し、長期停滞現金給付政策DSGEモデルの開発を行っているところである。
今後は、Gali (2021)に習い自然失業率を用いてCOVID-19禍の自然失業率上昇を識別し、その変動に連動した現金給付政策の提案を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長引くコロナ禍で、オンライン授業の準備やその対応が続き、昨年度に引き続き本研究へのエフォートを確保することが困難な状況が続いてしまった。さらに、研究計画申請時の学会の中止、延期、または内容変更と、断続的な研究を余儀なくなされ、研究を深化させることが極めて困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の2つの推進方策により研究を遂行する予定である。1つ目は、現金給付政策のDSGEへの導入を完成させる。具体的には、家計が現金保有からも効用得るよう効用関数を修正する。さらに国債発行と増税さらに中央銀行による財政ファイナンスを政府予算制約式に導入し、政策仮想実験のための政策式とすることで種々のシミュレーションを行う。
2つ目に、経済停滞からの回復を判断する尺度である厚生損失関数を導出する。家計の効用関数を定常値周りで2次でテイラー展開を行い損失関数を導出する。(自然)失業率の上昇率ごとに、現金給付の金額、期間を表す政策パラメータを変え、経済厚生回復の大きさ、速さ、そしてパラメータへの感応度を明らかにすることで、DSGEモデルによる現金給付政策への示唆を得ることを目指す。
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