Project/Area Number |
21K13365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 敏 京都大学, 経営管理研究部, 講師 (10760514)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 顧客接点 / サービスデザイン / サービス設計 / 技術資源 / 人的資源 / 資源活用 / カルテ情報要約 / セルフレジ / 決済手段 |
Outline of Research at the Start |
技術の発達に伴い,サービスの顧客接点にも様々な技術が導入されている.一方で,対人により生じる価値が技術と相容れないとする認識も根強い.本研究では,顧客とサービススタッフの双方が心地よいと感じることを重視した上で,技術を効果的に活用した顧客接点のデザインを明らかにすることを目指す.実務の中で行われている技術や人的資源の活用についての事例調査と,実験室実験の形式による特定の技術活用やスタッフのふるまいについての分析を行い,顧客接点におけるヒトと技術の相補的な関係について研究する.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は継続的に取り組んでいる宿泊サービスおよび医療サービスの調査・分析についての成果発信を行った。宿泊サービスのチェックインプロセスを題材に、実際の店舗における新たなセルフサービス技術の導入についての効用分析を行った。従来技術でのチェックインに要する時間に比べ、より短い時間でプロセスを完了可能となることが確認された。加えて、同チェックインの中で対人による対応が行われる部分を軸に接客サービスについての顧客の評価についても分析したところ、多くの項目について従来のプロセスより高い評価が得られた。すなわち、新たな技術導入により、業務時間の短縮と接客サービスの品質向上の両立が実現された。今回の技術導入は、前年度までの実験で得られた新技術の導入による変動の分析や、その知見を踏まえた新プロセス用のマニュアル構築の結果であり、実サービスの現場における成果と位置付けられる。医療サービスの医師事務作業の効率化については、電子カルテデータの自動要約機能による支援についての調査を進めた。作業の対象となる元データ(カルテ情報)の量や顧客のサービスとの関わり方(患者の診療歴)などの変数が、支援効果に与える影響について分析した。患者歴が短く、診療の回数やそこで生じたカルテデータの分量が少ない場合でも、カルテデータを基にした文書作成支援に一定の効用が見られた。そのうえで、診療回数が多い場合や、カルテに記載事項の多い場合などで業務時間の短縮がより顕著となる結果が示された。最終的に書類に出力する文書量などもあるため、作業のインプットだけでの解析には限界があるものの、処理しなければならない情報量の多さが技術活用の一端としてやはり重要な観点となることが改めて確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書において「実験室実験」と「実務の調査」の二軸で本研究課題を進めることを構想した。「実務の調査」について、これまでの研究活動の集積の一つとして宿泊サービスを題材に行われた新たなセルフサービス技術の導入についての調査では、従来の顧客インターフェースでのサービスプロセスに対し、より短い時間で処理を終え、かつ、より高い接客品質に対する評価が確認された。研究で得られた知見を踏まえた技術(セルフサービス技術)活用により、サービスの改善が実現されたものといえる。医療サービスの医師事務作業を対象とした業務効率化については、当初計画の利用者目線での評価は体制の構築と実験の計画に留め、業務の効率化を中心にデータ取得と分析を進めた。業務時間の短縮という改善効果は表れている一方、その改善率が文書(カルテ)の文量などに依拠する側面もある。そのため、支援が効果的となる要因の分析を通じ、労働負荷が大きい業務に対する支援として効果的な新たな電子カルテの機能開発について引き続き検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
全体の方針としては、次年度も引き続き「実験室実験」と「実務の調査」の二軸で研究活動を推進していく。医療サービスについては、本年度に深堀した作業者にとっての業務効率化・省力化で得られた知見を踏まえ、改めて利用のしやすさも見据えた書類作成業務の支援に向けた電子カルテと周辺機能についての分析を進める。その上で、宿泊サービスの取組の発展として、現場での技術導入と業務改善まで進んだことを踏まえ、技術の機能とサービスプロセス上の位置づけを改めて表現・分析する。これを通じ、より汎用的な技術導入のための理論的枠組みについて検討する。
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