Project/Area Number |
21K13421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
寺林 暁良 北星学園大学, 文学部, 准教授 (60847656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 多義的実践 / 環境ガバナンス / 地域課題解決 / ガバナンスのダイナミズム / 問題フレームの脱却 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、環境ガバナンスのなかに多様な地域課題(産業振興や福祉など生活全般の課題)の解決を組み入れる「多義的実践」の理論を確立し、さらに実践モデルとして提示することである。環境ガバナンスの研究は国内外で進展するが、その実践に関する研究が不足しているほか、環境問題の解決という狭いフレームから脱却できていない。本研究では、「多義的実践」の事例について詳細なフィールド調査を積み重ねることで、これらの点について検討するとともに、地域再生や環境ガバナンスの強化に関する社会理論の生成や政策提言を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、環境ガバナンスのなかに多様な地域課題(福祉や産業振興など生活全般の課題)の解決を組み入れる「多義的実践」の理論を確立し、さらに実践モデルとして提示することである。 当該年度は、(1)都市近郊林や荒廃農地の保全・管理、(2)鹿児島県奄美群島の自然資源管理、(3)ドイツ・オランダの水管理や再生可能エネルギー事業について調査を実施する計画であり、それぞれほぼ計画に沿って調査を遂行した。(1)については、北海道の北広島市、余市町、八雲町などで農福連携や農泊事業、再生可能エネルギー事業に取り組む農業者や事業者へのヒアリングを実施した。(2)については、沖永良部島の国頭集落にて、ソテツ、ユリ、塩などの自然資源の利用・管理に関する調査を実施した。(3)については、ドイツ・ルール地方の水管理組合のほか、オランダの水管理委員会でヒアリングを実施した。また、ドイツでは市民エネルギー協同組合に関する調査も実施した。 当該年度は、これらの研究成果としての公表も進めた。まず、市民エネルギー協同組合については、その現状や意義、さらに多義的実践への展望について依頼論文にまとめた。次に、日本社会学会と農村計画学会では、八雲町や中津川市の事例をもとに、農泊における多義的実践やアクターに関する分析の報告を行った。 以上の結果から「多義的実践」の概念的検討が進みつつあるほか、プロセスデザインの方法と限界など、課題の整理も進んでいる。最終年度となる次年度に向けて総合的な分析を始めており、本研究全体の成果をまとめた書籍の執筆準備にも取り掛かっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、ほぼ予定通りに国内・国内での調査を実施することができた。また、多義的実践に関する論文を執筆することができたほか、学会報告などを実施することにより、各調査地の実践の成果や課題を明確にし、理論・実践モデルの形成に向けた分析を深めることができた。 以上のことから、本研究は総合的にみるとおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる今年度は、これまで得られたデータの分析をすすめ、「多義的実践」の理論と実践モデルの形成を進めていく。調査と分析については、具体的には次のように進める。 第一に、都市近郊林や荒廃農地の管理のあり方に関する調査とその成果の取りまとめを進める。特に、農泊事業や多世代交流事業による都市近郊農地の保全の可能性と限界について、その事業成立過程に着目しながらまとめる。 第二に、奄美大島や請島、沖永良部島における二次林や海岸の保全・管理に関する調査をとりまとめる。これについては、環境社会学会の学会誌に論文を発表するなど分析枠組みの整理は進んでいるため、現場での実践を追加調査することで、実証的な考察を深める。 第三に、こちらも当該年度に実施したドイツ・オランダでの水管理や再生可能エネルギーをめぐる「多義的実践」に関する調査をとりまとめる。これらについても、学会発表や論文、書籍などで理論的分析を進めることができているため、理論・実践モデルの精緻化を進める。 以上3つの調査地それぞれについて研究成果の個別報告を進めるとともに、それらを包括する大枠の理論・実践モデルについて単著の執筆を進める。
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