授業実践の記録・分析・解釈に着目した授業研究方法論に関する研究
Project/Area Number |
21K13514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education (2022) Hiroshima University (2021) |
Principal Investigator |
松田 充 兵庫教育大学, その他部局等, 講師 (80845991)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ドイツ教授学 / 承認 / 授業研究 / アーカイブ / 授業の記録、分析、解釈 / 授業実践 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、授業実践の研究を記録、分析、解釈という三つの段階に区分し、ドイツの授業研究と対照しながら、それぞれの方法について検討することで、授業研究の研究方法論を明らかにすることである。日本における授業研究は伝統的に、授業の改善や教師の専門性の向上という実践的側面に重点を置いてきた。一方で近年の実証的な研究の高まりの中で、授業研究の科学性や実証性に対して疑義が呈されている。これに対して授業研究の研究方法論を確立することが求められている。本研究では、実証性を重んじる経験科学の立場から授業研究を発展させてきたドイツの授業研究者との共同研究の下で、それらの方法論を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究の成果は、次の三点に集約できる。 第一に、ドイツの授業研究における「承認」概念の意義を検討できたことである。特に、批判的社会理論の系譜にある承認概念を教育と結びつけようとするストヤノフ(K. Stojanov)の論考を取り上げながら、承認の教育学的な可能性について検討し、承認概念から、授業や学校教育のあり方をいかに構想することができるのかを検討した。この検討から、承認が教育実践の構成原理となりうるとともに、他者の存在を認めるという点にあるだけではなく、発達や成長の可能性を認める点に、承認の教育学的な可能性があることを示した。 第二に、承認概念から、日本の授業研究のあり方をいかに捉えることができるのかを検討できたことである。特に学習集団による授業づくりの理論と実践に焦点化しながら、学習集団が目指してきた社会批判のかたちとその具体化の方法を検討したうえで、承認概念に教育における社会批判を更新できる可能性があるのかを検討した。その検討によって、教育実践における承認は人間形成的な意義を持つだけではなく、社会批判へと開かれるものである可能性が示唆された。 第三に、上記の研究成果を学会発表と学術論文、さらには図書を通して公表できたことである。 次年度には、本年度までの研究を継続させていきながら、日本の授業研究における授業記録の役割の検討、さらには授業記録のアーカイブ化を進めていくこと予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、授業実践の研究を記録、分析、解釈という三つの段階それぞれの方法について検討することで、授業研究の研究方法論を明らかにすることである。2021年度は主に授業記録の様式を取り上げながら授業の記録について検討した。本年度は、「承認」という概念から主に授業の分析と解釈に関する検討ができており、順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、主に次の二点を進めていく。 1.日本における授業記録に関わるデータの調査 2.授業研究に関わる記録等を保存するアーカイブの構想と設置
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)