Project/Area Number |
21K13518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
飯田 星良 追手門学院大学, 地域創造学部, 講師 (30846316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 非認知能力 / パフォーミングアーツ / グリット / ウェブ調査 / 実証分析 / 芸術教育 / 文化経済学 / 実証研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究では芸術活動の教育的な効果に注目し、特に幼少期から義務教育期にかけてのパフォーミングアーツの経験と、問題解決力やコミュニケーション力などの非認知能力との関係を、定量的に明らかにする。これまで、個人のパフォーミングアーツの経験を追跡調査したパネルデータは希少で、幼年期と少年期に関する実証的な研究はほとんど蓄積がない。また、非認知能力との関係について議論した研究も少ない。そこで、本研究では独自の調査によってパネルデータを構築し、特に幼少期から義務教育期にかけて学校外で行うパフォーミングアーツ経験に応じた傾向を、共分散構造分析、傾向スコアマッチング、差分の作法などを用いて定量評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本の芸術活動が内包する教育効果の中でも、特に、幼年期におけるダンスなどのパフォーミングアーツの経験が非認知能力を涵養するという仮説を定量的に検証する。パフォーミングアーツの経験の有無で統計的に有意な差を検証した研究はまだ十分に存在しない。そこで、2021年度から独自に継続的なウェブ上でのアンケート調査を実施すること、さらに、別の研究チームで行っている経年調査から、パネルデータを構築し、学校外でのパフォーミングアーツ経験に応じた効果検証を行う。 今年度の調査研究としては、2つのデータのうち、3年分のウェブ上でのアンケート調査データを用いて、まずパネルデータを構築した。その上で、(1)現在の芸術鑑賞経験やアートイベントへの参加が、非認知能力の中でもグリット(やり抜く力)にどのような影響をもたらすか、(2)幼少期のパフォーミングアーツの習い事経験が現在のグリットにどのように影響をもたらすか、それぞれ分析を行った。(1)に関しては、明確な結果は得られなかった。(2)に関してはパフォーミングアーツ経験の有無に着目した傾向スコアマッチング分析やパフォーミングアーツ経験の長さに着目した生存時間分析の結果、特定の条件下ではパフォーミングアーツ経験がグリットの涵養に効果を持つことが明らかになった。この結果は、現在国際雑誌に投稿中である。 これらの調査分析は、教育における芸術の役割を再考するための基礎的知見として貢献する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産休育休の取得に伴い、アンケート調査を実施できなかった年があったものの、分析としてはこれまでの調査を活用することで、研究分析状況としては計画通り進展している。 ただし、研究成果の報告に関しては、計画段階よりも少し遅れが生じており、今後注力していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査で不十分な調査項目があることから、最終年度に実施予定の追加調査により行いデータを補完する。なお、パネルデータの構築には至らなかったものの、COVID-19の影響を強く受けた時期での調査だったこともあり、現在の芸術鑑賞経験と、現在の危機意識がどのような関係を持つか、という追加のテーマでも分析を進めている。
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