Project/Area Number |
21K13528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Osaka Kyoiku University (2023) Osaka Seikei University (2021-2022) |
Principal Investigator |
薮田 直子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00880105)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 外国籍教員 / 「任用の期限を附さない常勤講師」 / 教員集団の多様性 / 「当然の法理」 / 多様性 / 国籍条項 / 常勤講師問題 / 多文化教育実践 |
Outline of Research at the Start |
日本の公立学校では、現在200名以上の「外国籍教員」が教育の第一線で活躍しているはずである。「はずである」と言うのは、かれら外国籍教員の実態を把握するための公的な統計データの公表がみられないためである。かれら外国籍教員はどのような課題に直面しているのか、またどのような実践が積み上げられているのか、その内実を教育学的に明らかにするのが本研究の目的である。 現在、公立学校で働く外国籍教員は「任用の期限を附さない常勤講師」職として日々教育実践を積み上げている。しかし、管理職に登用されないという状況がいまなお横たわっている。 本研究は代表者のこれまでの研究データを活かしつつ行う継続的・発展的研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の公立学校で働く外国籍教員の実践とその任用の課題について質的に調査研究を行い、課題克服の方途をさぐろうとするものである。日本の公立学校で教員として働く外国籍者は「期限を附さない常勤講師」という職で勤務しているが、職員会議等、日々の職務の中で、他の日本国籍の同僚と同様に書類上「教諭」という呼称でまとめられてしまうことがあったり、日常的な民族差別(マイクロアグレッション)にさらされたり、その存在が同僚教員にさえ理解されていない状況が、聞き取り調査から明らかになっている。 2023年度は、関西圏の外国籍教員だけでなく、関東圏で勤務する外国籍教員にもインタビューの対象を広げ、地域性や教育行政の違いを分析することを中心としながら、外国籍教員同士のネットワークの存在などについても考察することができた。さらに在日コリアンのルーツをもつ教員だけではなく、いわゆるニューカマー外国人としてのルーツをもつ教員など、多様な外国籍・ルーツ教員から聞き取り調査の承諾を得ることができた。中には、日本国籍を取得することを選んだ教員、退職することを決断した教員なども含まれている。 加えて、外国籍教員当事者だけでなく、かれらをサポートする関係団体や運動体へも調査を行うことができた。具体的には「常勤講師問題」の連絡会議での参与観察を5回実施した。 次年度も引き続き外国籍教員を取り巻く状況と、サポートの体制、各自治体での任用・運用の異なりなどに着目して調査を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から引き続いて民族教育関係のネットワークや関係団体のコミュニティ活動、会議参加を17回行った。また研究者・実践者らとの自主研究会を5回開催し、各地の外国籍教員の状況の共有や、議論を深めることができている。 さらに新型コロナウィルス感染予防のため昨年度から延期していたインタビュー調査を再開することができ、関西圏のみならず、関東地方への長距離移動も可能となり、計9件の聞き取りを実施することができた。調査協力者の中には教員として10年以上のキャリアを持つものもおり、2012年に研究代表者が行ったインタビュー調査に協力を得られた人もいる。10年間の教員生活の変容やキャリア形成が分析可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度計画していた研究者・実践者らとの自主研究会は軌道に乗り、予定していた年間4回の開催目標も達成し、本研究の進捗についても随時確認できる機会を得た。今年度も引き続き研究会を活用していく。また継続して、民族教育関係団体での事務局員としての活動を月に1度行いながら、外国籍教員の常勤講師任用問題について見識を深めていく。 加えて、これまでの3年間の研究実績をまとめるため、今年度の後半には聞き取り調査をもとにした論考の準備をはじめる計画である。具体的にはインタビューデータの整理、分析に加えて、10年前の調査のスクリーニングを同時に行い、本研究の課題である外国籍教員たちのキャリア形成について応える内容にまとめていく。
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