Project/Area Number |
21K13593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
黒川 麻実 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 准教授 (50823382)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 民話 / 昔話 / 絵本 / 東アジア / 国語教科書 / 教育文化史 / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「東アジアの民話はいかにして子ども達に届けられたのか」「東アジアの民話の内外にはどのような教訓や思想があるのか」について、国語教科書・絵本などのメディアを対象に検討することにより明らかにしていく。その上で、現代の国語教育における民話教材を扱う学習の在り方に一石を投じ、「東アジアの民話教材をどのように子ども達に学ばせていくべきなのか」という問いに答えていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦前・戦後に教材化なされた東アジアの民話(昔話)には何があるか、また類話の関係にあたる民話にはどのようなものが存在するかを明らかにし、その内外にある教育的意図や思想を検討することである。その上で、日本を含む東アジアの民話教材をどのように子ども達が読み広げ、学びを深めていくべきなのかを追求する(国語科学習モデルを開発する)ことである。 3年目となる令和5年度は、①日本を含む東アジアの昔話についてその内容を精査しテーマ毎に類別する、②海外(主に韓国)の民話教材について調査・収集する、以上の2点について研究を進めた。 本年度は、特に日本を中心とする昔話の資料収集や整理に主に注力し、その結果、幅広いテーマに沿った昔話の内容と特徴を整理し、加えて東アジアにおける類似の昔話について情報を収集し分析することができた。①に関しては、日本児童図書出版協会から刊行されている『こどもの本』において「心惹かれる不思議な昔話の世界」全6回の連載を通して、昔話に関して網羅的に整理することができたと共に、一般社会に向けて研究成果の一部を報告する機会となった。またその中で、子ども達の興味を惹きつける昔話および絵本の発掘を行うことができた。 加えて国内の公益財団法人教科書研究センターや東書文庫において、海外の民話を含めた網羅的な教科書教材に関する調査を行い、資料を収集した。その結果、民話教材がその土地の文化・風俗や社会情勢に合わせて変化していること、また東アジア文化圏における交流が、類似の昔話の生成に影響を与えていることが、収集した資料などにからより鮮明にすることが叶った。今後は、収集した資料から民話教材を取り巻く力場について検討すると共に、教材として東アジアの民話をどのように活用していくべきかについて研究報告を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、海外でのフィールドワークによる民話の収集・調査が行えなかった一方で、国内での調査を精力的に行い資料を入手することができた。また令和4年度に引き続き、昔話の一般的な認知度やイメージについてのアンケート調査は進められており、東アジアの民話の教材活用への研究的基盤は整いつつある。一方で、新型コロナウィルス感染症の影響により全体的に計画が後ろ倒しになっており、交付終了時点で設定した昔話を活用した国語科学習開発モデルについて自身が納得できる研究成果を報告できていない。よって進捗状況については「やや遅れている」と設定するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は最終年度となるが、所属変更が生じたためまずは研究環境を整える必要がある。しかし、教材価値が認められる民話(時代状況による変化の様相が明らかなるものや内外の教訓が考察対象として優れているもの)についていくつか目星をつけることができており、また昔話の一般的認知度に関する調査や児童文化財を活用した「遊び」の開発など、着実に研究成果を報告することができている。 これまでに収集した研究資料や研究成果を元に、民話教材を取り巻く力場について検討し、その特性を踏まえた上で、国語科学習開発モデルの開発を進め、学会等での発表および論文化を行う。
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