「ヨコへの発達」の現代的意義ー重症心身障害児の「発達保障」の思想と実践から
Project/Area Number |
21K13633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
垂髪 あかり 神戸松蔭女子学院大学, 教育学部, 准教授 (00848947)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 重症心身障害児 / ヨコへの発達 / びわこ学園 / ライフヒストリー / 歴史 / 発達保障 / グループホーム / 福祉 / 現代的意義 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「ヨコへの発達」の現代的意義を重症心身障害児の「発達保障」の思想と実践に則して検証するものである。日本の重症心身障害児(以下,重症児とする)療育・教育の歴史を切り拓いてきた重症児施設びわこ学園(滋賀県)において1966年に創出された「ヨコへの発達」概念は、歴史的、思想的、実践的な意味合いを持つ概念である。創出から半世紀以上が経過し、「ヨコへの発達」概念が現代の重症児療育・教育および福祉の思想にどのように位置付き実践化されているのかについて、資料考証と事例検討により解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
【研究1】 歴史的アプローチ:1960年代から2000年代における田中昌人の「ヨコへの発達」について解明では、びわこ学園医療福祉センター野洲の「びわこ大学校」の取り組みについて、定期的に参与観察し、実践に携わる職員2名にインタビュー調査を実施して、「びわこ大学校」の実践を通した青年期・成人期の発達保障についてまとめた。この結果を、田中昌人の青年期・成人期の「発達保障」の視点から分析し、それらの成果を、WERA Focal Meeting 2023(世界教育学会)、田中テクスト勉強会(2023年12月)および大学評価学会第21回全国大会にて発表した。また、大学評価学会年報『現代社会と大学評価』に投稿予定である。 【研究2】思想的アプローチ:現代社会における優生思想と「ヨコへの発達」思想との比較検討 については、びわこ学園において制作された療育記録映画『夜明け前の子どもたち』に込められた「ヨコへの発達」の視点と、それらを現代を生きる大学生たちにどのように伝えるかについてまとめ、日本特殊教育学会第61回大会自主シンポジウムにて報告した。 【研究3】実践的アプローチ:様々な場所で生きる重症児者の「ヨコへの発達」の療育・教育・福祉実践の事例的検討 については、研究協力先であるびわこ学園ケアホームえまいの入居者を事例対象者とし、事例および事例の支援者2名にインタビュー調査を行い、その結果をライフヒストリー質的研究法により分析・考察した。これらの成果を第48回日本重症心身障害学会学術集会で発表し、日本重症心身障害学会誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力先が重症心身障害児施設ということもあり、感染症の流行状況によっては、面会制限、入所制限がある時期があり、研究協力者との計画通りの面会を進めることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究1】研究成果を大学評価学会年報『現代社会と大学評価』第20号に投稿し、査読を経て採択に向けてやり取りを重ねていく。 【研究2】現代の優生思想に関する資料収集が十分でない状態なので、資料を収集し、分析、整理する予定である。 【研究3】研究成果を日本重症心身障害学会発行『日本重症心身障害学会誌』に投稿中であるため、査読を経て採択に向けてやり取りを重ねていく。また、研究成果の一部を【研究2】の成果と合わせて、日本教育学会英字誌「Educational Studies in Japan」に投稿し、広く世界に向けて発信していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)