Scientific analysis of invisible technical tips in the dental treatment
Project/Area Number |
21K13639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 拓実 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60846070)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 歯科治療 / technical tips / モーションキャプチャ / 窩洞形態評価 / Technical Tips / 歯科臨床技能教育 / 窩洞形成評価 / 歯科臨床教育 / 窩洞形成 / 動作解析 |
Outline of Research at the Start |
技術の習得には時間を要することは明白であり、医療職もその例外ではない。なかでも特に技術職的要素が含まれる歯科医師には自らの経験のなかで習得する技能が多い。一方、健康長寿を目指すためには口腔機能の維持や回復が必須であり、歯科医師が担う責任も重くなっている。しかし、歯科医師に求められる知識・態度・技能は増え続けており、特に技能に関する教育は他に比べて遅れ気味であると考えられる。本研究は歯科治療技術の習得に際して非常に重要であるにも関わらず指導者が学習者にわかりやすく示すことができない、すなわち言葉や図で具体的に説明することが難しい診療時の動作を可視化することにより、この問題を解決することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯科治療に用いる器具の持ち方や動かし方、それらを扱う際の姿勢は、その性能を発揮するために重要であるが、これらの具体的なコツ(以下、ITTs:Invisible Technical Tips)を、言葉や文章で第三者にわかりやすく説明することは容易ではない。本研究は、学習者である歯学部学生や研修歯科医の技術改善・向上に資すると考えられるITTsを客観的な指標を用いて示唆を与えることのできる歯科臨床教育体系の確立を最終目標とし、エアータービンを用いた切削の動作を題材に歯科治療動作を客観的に評価することを目指して行う。2021年度はフィンガーレストの有無による窩洞形成動作に関してデータの採得を行い、三次元動作解析を行った結果、診療姿勢やフィンガーレストの重要性を客観的に示すことができると考えられた。一方で、当初エアタービン操作に重要であると想定した上肢の関節、すなわち肩、肘、手首に加えて、手指による関与が大きいことが示唆されたため、2022年度は手指の動作解析についてモーションキャプチャでの計測方法と解析モデルの構築を行い、2023年度は熟練歯科医師の動作解析から具体的なITTsの抽出を目指し解析を進めた。またITTsとして器具操作時の器具や患部に加わる圧力や診療視野の確保も重要な要素と考えられたため追加検討を行い重要な示唆が得られた。本研究は従来の教育手法である指導者の主観的指標によるものではなく、上記を踏まえた客観的指標によって学習者に教育することによる教育効果を確認することを目標としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度はフィンガーレストの有無による窩洞形成動作に関してデータの採得を行い、三次元動作解析を行ったことにより、当初エアタービン操作に重要であると想定した上肢の関節に加えて、手指による関与が大きいことが示唆されたため、2022年度は手指の動作解析についてモーションキャプチャでの計測方法と解析モデルの構築を行った。熟練歯科医師の計測目標人数が10名であり、2023年度中にデータがそろったため解析途中まで進めた。当初の計画では熟練者の診療姿勢やインスツルメント操作の特徴、ITTsの抽出を行った上で2023年度に学習者に指導を行い教育効果の確認することとしていたが、ITTsの解析が遅れたことから、2024年度に研究を継続させていただき、学習者への教育を進めていく予定である。2023年度は歯科治療におけるITTsとして、診療時の視野の観点でも検討を行った。歯科用器具のデンタルミラーは口腔内の見づらいものを小さな鏡に反射して確認するために用いる。歯の切削の際にも頻繁に使用するが、その教育方法は確立していない。エアタービンによる歯の切削時のデンタルミラー操作について検討し、歯科医学教育学会学術大会での成果発表を行った。これについては切削した窩洞形態の評価を3次元光学スキャンを行い解析し、2024年度に論文の投稿を考えている。デンタルミラー操作の研究からポジショニングや器具操作、フィンガーレストの位置などにより切削動作の巧緻性が低下することが示唆されたため、これらの指標についてモーションキャプチャによる動作解析に盛り込むことで、より明確なITTsの抽出が可能になると思われるため、併せて解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は熟練歯科医師の動作解析から得られたITTsを学習者に指導した際の教育効果について検討する。現在得られた結果から切削動作時の手指や上肢の関節の姿勢には個人間でのばらつきがあるが、エアタービン操作に直接の影響はないように思われる。一方でデンタルミラー操作の研究からポジショニングやフィンガーレストの位置も器具操作の巧緻性に関係していることが示唆されたため、解析項目に追加し、さらにそれぞれの解析パラメータの関連性を考慮して解析することで、臨床上でも矛盾のない明確なITTsを抽出することができると考えている。また当初想定していた人工歯の窩洞形成から変更し、単純な人工歯モデルを作成した。切削した窩洞形態の評価については3Dスキャナを使用しているが、窩洞の外形とその深さの2点から評価を行う。一方でこの指標は切削動作中のエアタービン先端に装着した切削バーの先端位置とその姿勢の結果と比較することで、切削動作中の手指や上肢の関節の姿勢が窩洞形成に及ぼす影響について検討する。これによりエアタービンによる歯の切削におけるITTsの抽出を狙う。学習者の指導については、指導者の主観を可及的に排除して行うことを目指す。モーションキャプチャによる学習者の切削動作時の上記の各種パラメータと3Dスキャナによる窩洞評価から、客観的データを用いて指導を行うことを想定している。これを繰り返すことで、切削動作や姿勢、窩洞形態に変化がみられるかどうかを確認する。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)