Project/Area Number |
21K13696
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
|
Research Institution | Uekusa Gakuen University |
Principal Investigator |
北田 沙也加 植草学園大学, 発達教育学部, 講師 (30845897)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | 養育的行動 / 異年齢保育 / 乳幼児 / 特性理解 / 自己意識 / ベビースキーマ / 幼児期初期 |
Outline of Research at the Start |
家庭や保育現場において,幼児は2歳頃から自分より幼い乳児に対して撫でる,物を与える,世話をするなどの特徴的な「養育的行動」を行う。自分自身もまだ大人からの養育を必要とする時期であるにもかかわらず,なぜ2歳頃から乳児に対して養育的行動をするのか。 本研究では,長期的な観察調査を行い,養育的行動を受けやすい乳児や養育的行動を表出しやすい幼児はどのような特徴をもつのか明らかにする。さらに1~3歳児にかけて発達する自己意識に注目し,自己意識によって乳児への興味や反応が異なるのか,注視実験調査を行い検討する。そして幼児期初期の養育的行動の生起要因・プロセスについて考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,幼児が自分より幼い乳児に対して行う世話や分与などの養育的行動の生起メカニズムについて考察することである。具体的には,幼児が何を手がかりに乳児を養育的行動対象と認識しているのか,幼児期初期に発達する自己意識がこのような対象特性の認識にどのように影響するのかを検討する。当初は,2021年度から2023年度にかけて0~3歳の乳幼児が過ごす保育施設で0歳児に対する1~3歳児の養育的行動を観察対象とした縦断的な観察調査を行い,その知見を基に2022~2023年度に実験調査を行い養育的行動の対象理解に自己意識が及ぼす影響について調べる計画を立てていた。 2023年度は,新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり,感染症による影響は収まってきたが,申請者自身の育休取得のため年度途中まで研究を一時中断していた。実際の調査はできていないが,計画している実験調査の刺激候補として,申請者自身の子どもを被写体として多様な状況下での乳児の画像・映像を収集してきた。合わせて,養育的行動の対象となる乳児の特徴について,ベビースキーマに関する先行研究の収集・整理を行い,調査計画を立てた。また,過去に実施した実験調査のデータを論文としてまとめ国際学術誌に投稿した。論文の内容は,ベビースキーマの動きの側面に焦点化し,乳児のぎこちない動きに対する幼児及び大学生の注視反応を明らかにしたものである。先行研究で扱われてきた乳児顔と同様に,大学生は幼児や大人の動きよりも乳児の動きを注視すること,このような乳児の動きへの注視は4~5歳頃から萌芽的に見られることが示唆された。現在修正原稿を提出し,再査読中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では,2021年度から小規模保育施設にて縦断的観察調査を開始する予定だったが,新型コロナウイルス感染症の影響により,保育・教育現場の負担が大きかったこと,部外者である研究者が観察に入ることで感染リスクを高めてしまうこと,特に研究対象としている小規模保育施設は抵抗力の弱い低年齢児であることを鑑み,観察調査の実施を見送っていた。2023年度には感染症の影響も収まってきたが,申請者自身の育休取得のため研究を一時中断していた。そのため,進捗状況としては遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,遅れていた保育施設での観察調査を開始する。保育施設では1~3歳児の0歳児への関わり・養育的行動を観察すると共に,保育者にインタビュー調査を行い,養育的行動の対象となりやすい乳児の特徴や行為者となりやすい幼児の自己意識について明らかにする。 また,どのように乳児を養育的行動対象と認識しているのか,ベビースキーマの観点から検討する実験調査を行う。調査対象は1~5歳児及び大学生とする。実験刺激は様々な月齢・状況の乳児の画像や映像とし,手元にある素材に加えて画像・映像素材を購入することも検討する。実験調査では,画像・映像視聴時の協力者の視線及び表情変化を計測する。同時にアンケート調査も行い,協力者の気質,自己意識,乳児への関わりなどについて尋ね,視線・表情変化との関連を明らかにする。なお,協力者が1~5歳児の場合アンケート調査は保護者に協力を求める。
|