Project/Area Number |
21K13706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
桑原 晴子 就実大学, 教育学部, 教授 (70434769)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 共時性 / 易経 / 現代的意義 / 分析心理学 / 現代 / Pauli |
Outline of Research at the Start |
本研究は、C.G.Jungによる「共時性」概念の成立過程とその現代的意義について明らかにする。共時性とは、「意味のある偶然の一致つまり非因果的連関」と定義される。共時性が提唱された著書の共著者であるPauliとの関係性からの影響を解明すること、易経との出会いとその影響について解明すること、現代のユング派分析家がどのように共時性という視座を心理臨床実践において活用しているかを解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,C.G.Jungによって提唱された共時性という概念の成立過程と現代的意義について明らかにすることを目的とする。2023年度については,2023年3月スイスにて行った資料収集を基に,研究1の②の易経との出会いが共時性概念の発展過程に及ぼした影響について,「共時性概念の成立過程における易経との出会いの影響―C.G. Jung と R. Wilhelm の書簡分析を通して―」という論文にまとめ,公表を行った。その中で,易経の翻訳を行ったWilhelmや易経との出会いがJungにとっては共時性概念を明確にする決定的な転機となったこと,両者が書簡を通してWilhelmの病いの体験や共時的現象を共有する中で,相互的に理論を結晶化させ,発展させたことを論じた。さらに東洋と西洋の懸け橋となるという学問的関心を共有する共同研究者としてだけでなく,人生における父の不在やアニマの問題という個性化の過程も交錯しながら,互いの理論的深化のプロセスの同行者としての意味を持ったことを考察した。 また,2023年度は8月から9月,現代のユング派分析家がどのように共時性という視座を心理臨床実践において活用しているかを解明することを目的とする研究2「共時性概念の現代的意義に関する実証研究」のための面接調査を行った。機縁法により12名の多様な立場,背景を持つユング派分析家にインタビューへの協力を得ることができた。 面接においては,(1)共時性についてどのように理解するか、(2)共時性の視点は今の日常の臨床実践にどのような影響を及ぼしているか、(3)共時性の理解を深める臨床的な経験はどのようなものだったか、(4)共時性の現代的意義はどう捉えているかといった点について,各分析家にとっての共時性概念の意義を明らかになるようインタヒューを行った。この結果については,2024年度に学会発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の段階では新型コロナ感染症対策のため研究計画に遅れが生じていたが,2023年度で2回海外調査に出て,研究1の文献調査,研究2の面接調査を実施した。その結果,当初の予定に近づけるほど,おおむね順調に研究計画を実施,進展させることができた。ただし,研究1,2を同時並行で行うことが必要になったため,当初の予定よりは,研究2の分析が2024年度にずれこんでいるため,「(2)おおむね順調に進展で来ている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画の推進については,研究2の共時性概念の現代的意義に関する調査面接の分析を行い,その結果を学会で発表するとともに,論文化を行う予定である。当初海外の学会でも発表を行う計画であったが,当初の予算策定時に比べ,大幅な円安となり(当初1スイスフランが120円相当で予算を策定したが,170円程度までスイスフラン高になっている),2回の海外調査の渡航費・滞在費等費用が大幅に増加したため,国内学会での発表に限定する対応を行う。
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