Project/Area Number |
21K13719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂本 憲治 福岡大学, 人文学部, 准教授 (00641523)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 青年 / 希望 / キャリア / カウンセリング / 社会構成主義 / 質的研究 / 臨床心理学 / 青年期 / キャリアカウンセリング / 質的キャリアアセスメント |
Outline of Research at the Start |
キャリア形成に関する国際比較研究によると,日本の青年は諸外国の中で,将来に明るい希望を持てず,自分を人生の主役に位置づけにくいことが示されている。本研究では,「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観(どのように現実世界を知覚・経験しているか)に着目し,その諸相と変容プロセスを明らかにする。社会構成主義的キャリアアセスメントツール「My System of Career Influences」を用いた質的研究を出発点として,質問紙調査,キャリアカウンセリング/キャリア教育実践を行い,「将来に希望を持てない青年」に建設的変容を促す心理支援/キャリア支援アプローチを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、これまでの研究知見をもとに、「将来に希望が持てない青年」の主観的世界観を明らかにする本調査として、質的研究(24名への面接調査)、量的研究(2000名への質問紙調査)を実施した。
質的研究:青年24名に面接調査を完了し、学会発表の準備を進めている。面接調査は昨年度まで検討を重ねたツール(MSCI)を用いて実施し、それにより青年個人の主観的世界を可視化することができた。青年の体験を分析した結果、「将来に希望が持てない青年」は3タイプに分類された。また、日本人青年に共通した体験として、「ひとまずしのぐ」「自己欠陥の知覚」「既定路線からの逸脱」「あらがえない」という体験を見出した。これらの心理学的体験は、現象理解の重要な糸口になると考えられた。今後は、本研究の知見をもとに、約780万人と推定される「将来に希望が持てない青年」への支援アプローチを具体的に検討する予定である。なお、MSCIの検討過程において得られた知見をもとに、日本人大学生版MSCIワークシート試案を開発した。
量的研究:上記質的研究から導出した仮説モデルの量的検証を目的として、16~29歳の日本人青年2000名を対象に質問紙調査を実施した。主要評価項目は、①現在の希望の有無・程度、②希望に関わる心理学的体験であった。学生1000名(高校生400名、大学生等600名)、社会人1000名(高校卒業500名、大学卒業500名)のデータを収集した。現在、多変量解析を用いた分析と発表準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、令和5年度は質的研究、量的研究の結果をふまえて、キャリアカウンセリングの介入研究を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響や方法論的課題を精査したこと等により研究工程全体に遅れが生じている。ただし、現時点で質的・量的データはすべて収集し終わり、解析と発表準備を進めている点で遅れは取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、仮説生成・検証作業をふまえた介入研究を実施する予定である。変化の検討に必要なプロセス指標はすでに整理できており、介入の具体的な方法についても準備できている。現在、学内の非医学系研究倫理審査を申請中であり、承認され次第、介入研究を実施できる見込みである。また、令和4~5年度に実施した質的研究、量的研究の研究成果報告(学術雑誌への投稿)に向けた作業を引き続き進める。
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