Project/Area Number |
21K13728
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
太田 美里 香川大学, 医学部, 特命助教 (90885906)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 犯罪被害者遺族 / レジリエンス / きょうだい / 回復 / 質的研究 / 悲嘆 / トラウマ / 意味づけ / 被害者支援 / 心の変容 |
Outline of Research at the Start |
犯罪被害による同胞との死別を経験したきょうだいは,「忘れられた遺族」と称されるように,家庭内外問わず支援に繋がりにくい。このため,本邦では2016年に,きょうだいに対する心のケアの充実化等を方針とする第3次犯罪被害者基本計画が策定された。しかし,きょうだいの心理学的研究は未だ乏しく,特に,きょうだいが有する個人要因と環境要因の相互作用によって生じる回復過程,つまり,レジリエンスを検討した研究や,その回復の様相を詳細に捉えた研究は国内,国外共に十分でない。そこで本研究は,犯罪被害により同胞と死別したきょうだいのレジリエンスと心の回復の様相を多角的な視点から明らかにすることを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,殺人及び交通事故といった犯罪被害により,同胞と死別したきょうだい(以下、きょうだい)のレジリエンスと心の変容を面接調査にて明らかにすることを目的とした。 まず、研究1-1における被害時~現在の,個人要因と環境要因の相互作用によって生じる意味づけを主軸としたレジリエンスの研究においては,きょうだい特有の危機に対処する上で必要な個人要因と環境要因の相互作用とそれに伴う心的変容が明らかとなっている。 また,研究1-2では,研究1-1で得られたデータを再分析し,活動を行うきょうだいの心的変容プロセスに関し、特に親が社会活動を行っていることへの影響を加味した分析を行った。 これらの結果は,未だ研究の少ないきょうだいの心的理解を深め、きょうだいに必要な支援を考慮する上で重要な知見と考えられる。今後は,研究1-1と1-2の分析結果をより精緻化し,考察を行う予定である。そして,研究成果を学会及び学術論文を通して公表すると共に,個人・支援団体等にフィードバックすることにより,当事者や様々な専門家とともに,きょうだいに必要な支援を検討していく一助として本研究の結果を活かしていく。 また,研究2として,きょうだいの回復に影響を与える被害時~現在の家族関係を調査するため,香川大学医学部の倫理審査において承認を得た。今後は,研究1では検討しきれなかった,きょうだいの視点からみた家族関係を調査することにより,犯罪被害者遺族の家族支援の充実化に活かしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
きょうだいの犯罪被害者遺族10名に対し調査を実施し、研究1-1と1-2のデータ分析を行っている。きょうだいに対し、必要な倫理的配慮を行った上でインタビューを実施しているため、データを集めるために時間を要することなどから,研究の実施が遅れている状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、研究1-1及び1-2の研究成果を学会や論文等で公表していく予定である。また、それと同時に研究2の研究データを収集し、分析を行っていく予定である。研究3で予定していた「継続する絆」の形成過程については,具体的な語りが得られにくいことが予想されるため,実施を控え,家族関係を検討する中で新たな視点からの分析を試みる。
|