Project/Area Number |
21K13735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | University of Tsukuba (2022-2023) Tokyo Kasei University (2021) |
Principal Investigator |
水野 雅之 筑波大学, 人間系, 准教授 (60770047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | セルフ・コンパッション / コンパッションの手紙 / コンパッション・フォーカスト・セラピー / 慈悲の手紙 / 筆記表現法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,自己批判を肯定的に捉える日本文化において,その有効性を発揮しうるであろう慈悲の手紙による介入法を作成する。その上で,(1)特定のパーソナリティ特性によって,介入効果が増強・低減されるのか明らかにすることで,慈悲の手紙による介入が有効に機能する対象を明らかにし,(2)既存の有効性が確認された介入法である効用知覚筆記法との比較を行うことで,慈悲の手紙による介入の有効性と限界を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,3種類のセルフ・コンパッションの手紙について,その有効性と受容性の観点から比較を行い,以降の研究で用いる手続きについて明確化した。セルフ・コンパッションの手紙はコンパッションに基づく介入(Compassion-based intervention: Kirby et al., 2017)で用いられるアプローチのひとつであり,わが国においても,その有効性を示すエビデンスが増加している(たとえば,松岡他, 2023; 水野他, 印刷中)。セルフ・コンパッションの手紙には,①思いやりのある自分から他の人に宛てた手紙を書く,②思いやりのある自分から自分に宛てた手紙を書く,③思いやりのある他の人から自分に宛てた手紙を書くという3つの手続きがあるとされる(岸本 2021; Neff & Germer, 2018)が,これら3つの手続きにどのような特徴があるのかについて,十分に比較検討されていなかった。 2023年度は(1)3種類のセルフ・コンパッションの手紙の短期的な介入効果の比較,(2)介入効果に影響を及ぼすパーソナリティ変数に関する探索的検討,(3)3種類のセルフ・コンパッションの手紙の受容性(acceptability)の観点からの比較,(4)受容性に影響を及ぼすパーソナリティ変数に関する探索的検討を実施した。 その結果,「①思いやりのある自分から他の人に宛てた手紙を書く」手続きについては,特性セルフ・コンパッションが低い人やセルフ・コンパッションを持つことにデメリットを感じている人ほど,介入効果が得られやすいことが示唆された。コンパッションに基づく介入において,特に介入効果が必要とされるのは,特性セルフ・コンパッションの低い人や,セルフ・コンパッションへの恐れが高い人であり,そのような対象への有効な介入手続きを明らかにできたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に研究機関の異動があり,研究室や実験室など,研究に必要な環境を整備したり,学内の研究支援制度(倫理審査や研究費の処理方法,関連するwebシステムなど)を理解することに時間をかける必要があった。2023年度は,それらに時間をかけた分,円滑に研究を進めることができたが,研究計画全体としては「やや遅れている」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画よりも遅れている研究を順次実施していく。具体的には2024年の前半には研究2を,後半には研究3を実施する。研究1の実施を通して,研究の遂行(具体的な研究や関連する事務処理作業)に見通しが立ったため,研究遂行の速度を上げることができると考えられる。
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