Project/Area Number |
21K13748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine (2022-2023) Senshu University (2021) |
Principal Investigator |
角谷 基文 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (10802796)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 予測誤差 / 社会的動機付け / 計算論的精神医学 / fMRI |
Outline of Research at the Start |
近年、神経科学の分野においてPredictive coding理論という予測と予測誤差の観点から脳機能全般を統一的に捉える枠組みが提唱されている。この理論の観点から、ASDの本質的な障害は予測と予測誤差処理の問題にあり、ASD者が示す社会的相互作用の障害や限定された反復する行動様式はこれらに起因すると考えられている。しかし、それらの問題がASD者の社会的相互作用に与えている影響を実験的に検討した研究はほとんど見られない。本研究は、計算論行動科学の手法を用いて、自他の随伴性に伴う予測と結果の一致性という観点から、社会的相互作用の中におけるASD者の予測処理過程の問題解明を目指す研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、計算論行動科学、脳機能イメージング、オンライン実験の手法を用いて、自閉スペクトラム症(ASD)者における社会的報酬が社会的関わりへのモチベーションへと転化されるメカニズムの解明を目指す。昨年度は、ASD者におけるモチベーションの生成過程を検討する目的で、1)ASD者は驚き(予測誤差の絶対値)に強く反応するのか、2)発達によりその傾向は変動するのかを検討した。6歳から30歳のASD者及び定型発達者(ASDではない)を対象に、リスクに関連した選択(例:100%の確率で4ポイント獲得か、50%の確率で8ポイントあるいは0ポイント)を用いたシンプルな確率学習課題をオンラインで実施した。今年度はそのデータ解析を実施した。結果、ASD者と定型発達者では、発達に伴うリスク選好性の変化が異なることが明らかになった。思春期にASD者はリスク選好性が下がるが、定型発達者は思春期にリスク選好性があがることが示された。その背景には、リスク選択後の滞在確率(同じ選択肢をもう一度選択する確率)が関与している可能性があり、思春期にリスク選好性が下がるASD者は、報酬の獲得有無に関わらず滞在確率が思春期に下がっていた。計算行動モデリングの結果、これらの選好性の違いは、驚きへの選好性で説明できることが示された。計算行動モデリングでは、結果のvalidation解析も複数実施しており、妥当な結果を得ることができている。これらの結果をまとめると、ASD者は思春期に驚きを嫌うようになり、リスク選択後の滞在確率が下がり、リスク選好性が下がっている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.上記の成果を複数の学会・研究会で発表し、現在論文の執筆中である。 2.昨年度から進めている他者との関わりに関するMRI実験の解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.論文の執筆完了および投稿を目指す。 2.本年度の研究成果をさらに広げることを目的に、社会的相互作用を行う課題を実施する。倫理審査はすでに通すことができていることから、課題の作成及び実施に進める予定である。
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